【新車のツボ128】ボルボV40
毎日がおいしい良質乗用車
本当に"いい乗用車"のツボとはなんだろう。乗用車とはつまり「毎日使う生活に密着した道具としてのクルマ」のことだ。
まあ、デザインや色、あるいはブランドが好みで、客観的な良否を超えて、長く愛着をたもつことができれば、そのクルマがその人にとってのいい乗用車だろう。
ただ、ここでいう乗用車とは趣味の対象ではないので、まわりを蹴落とすほどの高性能や、毎日コキ使うのが気が引ける過剰な高級感、あるいはドギモをぬくブッ飛んだデザインは不要......というか、ある意味でジャマ。ただ、どんなときもストレスなく快適に走るには、なにはともあれ安全で、走りにもそれなりの余裕はほしい。そして、乗るたびにクルマの運転は楽しいと思えて、長く飽きない程度の味わいもほしい。さらに知人・友人から、ときおり「ステキなクルマですね」といわれるくらいだと、もっといい。
......と、まわりくどい前置きをしてしまったが、今回取り上げるボルボV40は、つまりはそういうクルマである。
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著者プロフィール
佐野弘宗 (さの・ひろむね)
1968年生まれ。新潟県出身。自動車評論家。上智大学を卒業後、㈱ネコ・パブリッシングに入社。『Car MAGAZINE』編集部を経て、フリーに。現在、『Car MAGAZINE』『モーターファン別冊』『ENGINE』『週刊プレイボーイ』『web CG』など、専門誌・一般紙・WEBを問わず幅広く活躍中。http://monkey-pro.com/