【新車のツボ127】スバル・レガシィアウトバック目からウロコの、元祖なんちゃってSUV
普通のステーションワゴンやハッチバックの車高をカサ上げして、少し飾りをつけただけの"なんちゃってSUV風グルマ"は、失礼ながら、お手軽商品そのものである。
ただ、この種のクルマは意外(ふたたび失礼)に人気がある。なるほど、「本格的なSUV性能は不要だし、あまり大げさなカタチは好きじゃないけど、ちょっとした未舗装や段差などに気づかいしなくていい」とか「安心できる定番商品ながらも、少しだけ人とちがうヤツがほしい」といった絶妙なニーズに、こうした"なんちゃって系"はちょうどいい。
スバルのレガシィアウトバックは、本来はニッチ商品だった"なんちゃって系"のなかでも、定番に昇格した代表格といっていい。というか、じつはアウトバックは、なんちゃって系SUV風ステーションワゴンの元祖的な存在だったりする。
アウトバックの初代にあたる"グランドワゴン"は2代目レガシィツーリングワゴンをベースに1995年に発売された。この種のクルマは今では世界中のメーカーが当たり前のようにつくっているが、この初代グランドワゴンがほぼ世界初だ。
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著者プロフィール
佐野弘宗 (さの・ひろむね)
1968年生まれ。新潟県出身。自動車評論家。上智大学を卒業後、㈱ネコ・パブリッシングに入社。『Car MAGAZINE』編集部を経て、フリーに。現在、『Car MAGAZINE』『モーターファン別冊』『ENGINE』『週刊プレイボーイ』『web CG』など、専門誌・一般紙・WEBを問わず幅広く活躍中。http://monkey-pro.com/