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【新車のツボ127】
スバル・レガシィアウトバック
目からウロコの、元祖なんちゃってSUV (3ページ目)

  • 佐野弘宗●取材・文・写真  text&photo by Sano Hiromune

 スバルのワゴンというと、いまだに"荷物が積めるスポーツカー"とばかりギンギンに走るイメージをお持ちの向きも多いだろう。その役割は、今はレヴォーグが担う。アウトバックはそれとは対照的に、「もともとがニッチ商品」や「最初に火が点いたのはアメリカ」といった前記のような出自もあって、どことなく大陸的というか、牧歌的なホッコリ系テイストである。それは細かなデザイン、内外装のカラーづかい、走りの味つけなど、クルマ全体に貫かれている。

 だから、最新のアウトバックのエンジンには、スバル最高性能のギンギン系ターボは用意されず、大排気量でゆったりと走る2.5リッターのみ。最大のキモとなる最低地上高は本格オフロード車なみに200mmもあって、曲がり性能も、あえて"ほどほど"のレベルで寸止めされているのが、アウトバックらしい。いわば癒し系の乗り心地だ。

 しかも、さすが"遊び上手大国"のアメリカで鍛えられてきただけに、遊びグルマのツボが、そこかしこに注入されている。

 たとえば、寒いときにありがたいシートヒーターは、アウトバックでは後席用まで標準装備となる。この価格帯のクルマでは明らかに贅沢品といっていいが、それが単なる高級車としてのイバリではなく、「後席に乗せた犬が寒がる」というユーザーからのリアルな声に応えた結果という。また、ドアを開けたときの下部分(専門用語でサイドシル)が、アウトバックではやけに幅広くなっているのだが、これも屋根上につけたラックやボックスに、荷物を載せる踏み台として使えるように配慮したためだ。どれも、そのウンチクを聞くと、目からウロコのツボばかりだ。

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