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【新車のツボ123】レクサスGS F、
どこまでも日本的なサムライグルマ (2ページ目)

  • 佐野弘宗+Sano Hiromune+●取材・文・写真 text&photo by

 レクサスがターゲットにするドイツ勢のそれは、同じ高出力エンジンでも、ターボを組み合わせるケースがほとんど。エンジン排気量そのものはあまり大きくせず、昔みたいに高回転までブチ回さずとも低中回転域を図太くすることで、同等以上のスピードを実現する。また、サスペンションやステアリングにも最新のコンピュータ制御や可変システムを組み込んでいるタイプが多い。

 そうして、速いのに燃費がよく、高級車らしい快適性や労力の小ささとスーパーカーなみの速さを両立する。そんなスマートさが、ドイツ勢も含めた昨今のスポーツモデルの世界的潮流といえる。

  

 しかし、GS Fはその真逆をいく。GS Fのエンジン排気量は素直に大きく、かつ多気筒の5.0リッターV8。ターボはついておらず、7300rpmという最高回転付近まで回してこそ本来の力を発揮する古典スタイル。乗り心地はハッキリ硬いし、パワステもかなり重い。

 ただ、そんなレクサスGS Fは走るとメチャクチャ気持ちいい。高回転にいくほどカン高くなるエンジン音は、わずかな"憂い"すら感じさせるセクシーな美声だし、本格サーキット走行まで想定したサスペンションは、前記のように硬いんだが、荒れた路面でも不思議なほどヒタッと跳ねない。ブレーキは踏んだ瞬間から、思いどおりの割合でピタリと減速。ステアリングは重いけど正確無比。

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