宮司愛海アナが感じる、新型コロナウイルス感染症が変えたスポーツ取材の在り方

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

宮司愛海連載:『Manami Memo』 第14回
連載1回目からはこちら>>

スポーツ界にとって大きな打撃となった東京オリンピック・パラリンピックの1年延期。その他のスポーツイベントも軒並み、中断や中止・延期となり、4月7日には7都府県に緊急事態宣言が発令された。外出自粛要請の中、『S-PARK』そして宮司愛海アナはどのような想いを持って放送を続けてきたのか。自身の生活の変化、番組での新たな試みなども聞いた。

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この3カ月間について語った宮司愛海アナこの3カ月間について語った宮司愛海アナ 皆さんがすでにご存知の通り、東京オリンピック・パラリンピックが1年延期となりました。これにより大舞台に向けて努力を重ねてきたアスリートの皆さんが一番大変な状況に立っていると思うのですが、私自身も正直に言えばショックではありました。ただ、世の中の状況を考えると、人の命を犠牲にしてまで急いで開催すべきではなく、その決断にはもちろん納得しています。

 私だけではなく、他のキャスターや番組のスタッフもオリンピックをひとつの大きな目標として取材を重ねてきたので、延期が決まった当初はみんな下を向いてしまうような空気があったのも事実です。ただ、前回のリオ大会から立ち止まることなく東京大会に向けて過ごしてきたなかで、今回一度立ち止まる時間ができ、オリンピックがどういうものか改めて考えることができたという意味では、プラスに捉えられる部分もあるのではないかと思っています。

 この期間、取材の仕方も大きく変わりました。これまで対面で行なっていたインタビューはオンラインや電話でのインタビューに変わり、現場取材も人数制限がかかることが多く、ほとんどできなくなりました。現場主義、を掲げてきた番組と私自身にとっては複雑な思いもありましたが、「できる範囲のことを最大限にやっていく」という考え方に転換していけたのは良いことだったように思います。

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