宮司愛海&西岡孝洋が語る全日本フィギュア「時代の転換期になる?」 (4ページ目)

  • 佐野隆●写真 photo by Sano Takashi

宮司 まだ私は28歳で、比較的選手とも年が近い部類だと思うんです。取材をしていると、どんどん年下も増えてきたんですけど、親目線みたいになることはまだなくて。選手に寄り添うのが取材で一番大事なこととわかってはいるし、そうできるように仕事をしているんですけど、なかなか難しい。そういう感覚を持っている西岡さんが、私はすごいなと思うんです。

西岡 親目線という感覚はないけどね。やっぱり全日本フィギュアスケート選手権に出るってすごいことじゃない。僕の高校時代は弱小ハンドボール部で、アスリートと言うのも憚(はばから)れるレベルだった人間からすれば、全国大会に出ている選手全員がすごい人たちなんだよ。

宮司 そうですよね。

西岡 その舞台に立てる選手へのリスペクトは、常に根底に持っていないといけない。だけど、どうしても大きな視点で中継しようとすると失われてしまう部分もあって。全日本フィギュアスケート選手権が世界選手権の予選という視点になると、それは見えなくなってしまうものだから。

宮司 たしかに、そうですね。上位選手ばかりに目が行っちゃいます。

西岡 世界選手権の代表を決める舞台というのは忘れちゃいけないけれど、もうちょっと小さな視点で一人ひとりの選手に光を当てる。この2つの視点を持っていなければ、全日本フィギュアスケート選手権というのは、うまく伝えられない。下位の選手はどうでもいいというスタンスになるのが、一番よくないこと。勝った負けただけではないのが、フィギュアスケートの魅力だから。

宮司 そうですよね。順位にかかわらず一人ひとりにあるドラマを掬い上げられるようにがんばります。

西岡 僕も宮司も九州出身だけど、よくも悪くも宮司は九州の女性らしく努力家で、自分の努力に裏打ちされたことしか信じない。だから、一生懸命やっていると思うよ。

宮司 そう言われるとうれしい反面、もっと柔軟になりたいなと思ったりもしますね。普段はあまりゆっくりお話を聞く機会もないので、すごく勉強になりました。もっとデスクでお会いできることを期待しています!(笑) ありがとうございました。

Profile
西岡孝洋(にしおか・たかひろ) 

76年2月13日生まれ。
1998年フジテレビ入社。
佐賀県出身。血液型:A型。
入局以来、数多くのスポーツ実況を担当。フィギュアスケートには、2004年世界選手権のリポート、2004年全日本選手権の実況から携わっている。選手の細かな情報まで網羅した実況がファンにも好評を得ている。

宮司愛海(みやじ・まなみ) 

91年7月29日生まれ。
2015年フジテレビ入社。
福岡県出身。血液型:0型。
スポーツニュース番組『S-PARK』のメインキャスター。スタジオ内での番組進行だけでなく、現場に出てさまざまな競技にふれ、多くのアスリートに話を聞くなど取材者としても積極的に活動。フジテレビ系『東京2020オリンピック』のメインキャスターを務める。

フジテレビ系 スポーツニュース番組『S-PARK』
毎週土曜日 24時35分~25時15分
  日曜日 23時15分~24時30分

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