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久保建英のゴールほかを詳細分析。元日本代表・石川直宏が指摘する、ゴール前の駆け引きとボールタッチ

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

スポルティーバ足ワザファイル 第4回

世界トップレベルのサッカースターたちの華麗なテクニックは、どういうカラクリで繰り出されているのか。その詳細を解説していく。今回も、元FC東京、元日本代表のドリブラーとして活躍した石川直宏氏が登場。2021-22シーズンに見られた欧州サッカーのゴール前の最新テクニックを実演・解説してもらった。

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久保建英ゴール時のGKとの細かい駆け引きや、欧州サッカーのゴール前最新足ワザを紹介photo by Getty Images久保建英ゴール時のGKとの細かい駆け引きや、欧州サッカーのゴール前最新足ワザを紹介photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る【動画】石川直宏実演! ゴール前の最新足ワザ集

久保建英のトップレベルの駆け引き

 ラ・リーガ第16節のアトレティコ・マドリード対マジョルカ戦で、後半アディショナルタイムに久保建英が「股抜きシュート」で決勝点を決め、マジョルカが劇的な勝利を収めるという試合がありました。

 ビッグクラブとのアウェイゲームであれだけの大仕事をやってのけ、画面の向こうで見ている僕たちも本当に興奮させてくれました。

 そのアトレティコのGKヤン・オブラクとの1対1は、駆け引きが詰まっているシーンだったと思います。

 アトレティコのセットプレーからのカウンターで、久保がアンヘル・ロドリゲスのパスで裏に抜け出して、ペナルティーエリア手前くらいからその駆け引きは始まっていました。

 まず目が行くのは久保の目線です。スピードに乗って進みながらボールをまったく見ず、オブラクのことを見ていました。そのままエリアに入り、シュートを打つ瞬間もボールを見ていません。

 DFやGKのセオリーとして、ボールホルダーがヘッドダウンした瞬間に距離を詰めていくというのがありますが、久保はその隙をオブラクに与えませんでした。オブラクは久保がいつシュートを打つのかわからず動きづらかったと思うし、久保の駆け引きの真骨頂が出たところだと思います。

 ただ、オブラクは動きづらかったとは思いますが、GKに真っすぐ向かっていく1対1は、シュートを打つ側にとっても意外と難しいものです。

 角度をつけたところからの進入であれば、GKを横に動かしてズラしてシュートを打つ、あるいはかわしていくというのがやりやすいと思います。でも真っすぐ向かっていくとGKとの距離感を掴むのが難しく、そのなかでGKに寄せられて体全体で面を作って構えられてしまうので、シュートコースもかなり狭く感じてしまいます。

 その状況でも久保は真っすぐにオブラクへと向かっていきました。そして、シュートを打つ時の駆け引きも見事です。

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◆【画像】2021-22シーズン中間地点 欧州トップ10クラブフォーメーション

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