2021.07.11

メッシの驚異のシュート技術。蹴るギリギリまで相手と駆け引きができる

  • 松岡健三郎●取材・文 text by Matsuoka Kenzaburo
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

スポルティーバ 足ワザ100連発
第12回 リオネル・メッシ(後編) 前編を見る>>

世界トップクラスのスーパースター、リオネル・メッシのテクニックを紹介する後編。元名古屋グランパスのレフティ・阿部翔平氏に、今回はメッシのキック技術を中心に実演・解説をしてもらった。

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メッシのキック技術を詳しく分析する photo by Getty Imagesメッシのキック技術を詳しく分析する photo by Getty Images この記事に関連する写真を見る

↓【動画】メッシのテクニック 実演&解説

 メッシは、もちろんキックもスーパー。世界トップクラスです。

 ドリブルがあって、キックの精度もあるので、相手としてはメッシがボールに触る前に奪いたいですよね。そうなるとパスを読んでカットしにいくか、ボールのコントロール際を狙ってボールを奪いに行くことになります。

 ところがメッシは、今回紹介した「チップアップ」とか、「裏通りトラップ」のように、ボールを足元に止めると見せてワンタッチでボールを動かし、相手が動く方向とは違うほうへボールを運び、入れ替わることができるんです。

 自分で仕掛けるというよりは、相手がボールを狙ってくる動きの逆を取るのがうまいですよね。

 そしてキックですが、メッシは小さな足の振りでも、強いシュートを打てるのが強みです。コンパクトな振りでボールを押し切る力があるため、ネットまで届く強いキックになります。小さい足の振りなので、相手が寄せる前、GKが準備する前にシュートを打つことが可能です。

 今回「スライダーシュート」を紹介しましたが、なかなか難しいパワフルなシュートです。メッシは蹴る方向に対してボール後ろから真っすぐ入ってこうしたキックができるのですが、これはお腹周りとモモ前の筋肉が非常に強いから可能なのだと思います。

 普通なら前回紹介したモハメド・サラーのシュートのように、ボールに対して横からアプローチするなど助走の角度をつけて、上半身の回転(ひねり)を使うとボールに勢いがつけられます。だから、メッシのようにボールに真っすぐ入ってうまく勢いがつけられない人は多いでしょう。