サラーのプレーにはゴールまでのイメージがある。豊富なアイデアを解説

  • 松岡健三郎●取材・文 text by Matsuoka Kenzaburo
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

スポルティーバ 足ワザ100連発
第9回:モハメド・サラー(前編) 後編を見る>>

世界トップレベルのサッカースターたちのテクニックを紹介・解説していく連載。第9回は、エジプトの英雄サラーのプレーを取り上げる。左足のキックを武器にJリーグで大活躍した元名古屋グランパスの阿部翔平氏に、サラーのテクニックを実際にプレーしてもらい、そのポイントやプレーの特徴を聞いた。

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スピードがありながら、視野の広さを持つサラーのプレーを分析 photo by Getty Imagesスピードがありながら、視野の広さを持つサラーのプレーを分析 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る↓【動画】サラーのテクニック 実演&解説

 サラーはスピードがありながら、視野の広さもあるプレーヤーです。常に相手が見えていて、カウンターを仕掛ける際のスイッチの入れ方が抜群ですよね。リバプールでユルゲン・クロップ監督の戦い方にサラーのスタイルがマッチしていて、特徴が随所に出ています。

 スピードがあって、自分の背後の使い方がとてもうまいので、相手を背負っていてもプレーできます。その良さが出ているのが、今回紹介した、ボールを足元に止めると見せて背後に流す「スルートラップ」です。簡単に見えますが、相手との駆け引きがあるプレーで、ゴールに向かう高い意識が見えます。

 こうしたワザは、ゴールまでの逆算ができているからこそ出てくるプレーです。なかなか難しいかと思いますが、マネをする時は、できれば常にそういった意識を持ってプレーしたいですね。

 サッカーは「今何が起こっているかを見て、解決する」ことの連続です。

 うまい選手はその解決が速い。さらにすごい選手は、解決策の選択肢をたくさん持っています。

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 サラーは解決のための武器をたくさん持っていて、ゴールまでのイメージもできているのがすばらしいところです。

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