検索

競輪・古性優作が「毎日すべてを捧げ」悲願のダービー王に 明かした選手続行に迷った日々と到達した至高の領域 (3ページ目)

  • PR text by Sporiva

導かれるように内側へ

 特に今開催で光ったのが、古性の精神的な充実ぶりだった。そのひとつがレースに臨むメンタルコントロールだ。

 準決勝終了後には「ここまであまり気持ちのギアを上げすぎずに決勝まで来た」と気負いのない状態で今開催を戦っていることを明かし、優勝後も「グランプリスラム()を目指していたら今回は力んでタイトルを獲れていなかったと思う」と最初から高みを目指さず、目の前の1レースに全力を傾けたことが、結果的にタイトル奪取につながった。
※KEIRINグランプリとすべてのGⅠタイトルを獲得すること

 さらにレース中の機敏な対応も精神的な余裕のなせる業だった。その最たる例が、前述の眞杉と吉田が悔やんだ最終周回での古性のコース取りだ。

「想定外の連続で、吸い込まれるように内に行った。あそこは狙っていたわけではない。最初からこういうレースをしようと思って発走機に立っていたら絶対に優勝はできていないと思う」

 考えたわけではなく、体が勝手に動いたという古性。それはまるで川の水が岩をよけて流れるような、ごく当たり前で自然な動きに見えた。そんな至高の領域にたどり着いたのも、積み重ねた努力の結果だろう。

会見ではS級S班としてあるべき姿も語った古性。高い責任感がうかがえる photo by Manabu Takahashi会見ではS級S班としてあるべき姿も語った古性。高い責任感がうかがえる photo by Manabu Takahashiこの記事に関連する写真を見る 古性はこれで9回目のGⅠタイトル獲得となり、年末のKEIRINグランプリ2026への出場権も獲得した。今開催の獲得賞金は副賞を含め1億300万円。2024年には年間獲得賞金額を3億8311万5596円とし、最高額を更新するなど、近年では恐ろしいほどの強さを誇っている。2025年こそ大きなタイトルはなかったものの、王者の風格に陰りは見えない。

 今回のダービーのキャッチコピーが「その一踏みが、歴史になる。」だったが、第80回という節目の年に、まさにその歴史に名を刻むにふさわしい男が、ダービー王となった。

【Profile】
古性優作(こしょう・ゆうさく)
1991年2月22日生まれ、大阪府出身。幼少期からBMXを始め、高校時代には世界大会でジュニアエリート部門の決勝に進出し8位の実績を残す。その後、競輪に転向し、2011年、20歳の時にデビュー。2013年にS級に昇格し、2016年に初めてGⅠ決勝に進出する。2021年8月のGⅠオールスター競輪で初優勝し、同年12月のKEIRINグランプリも制覇した。2026年5月現在、GP制覇2回、GⅠ優勝9回の実績を誇る。

フォトギャラリーを見る

3 / 3

    キーワード

    このページのトップに戻る