GⅠを9度制した父を持つ山崎歩夢がルーキーシリーズプラス優勝 4カ月ぶりのレースも周りは「強すぎ」と白旗 (3ページ目)
目指すはGⅠ優勝、そしてグランドスラム
道中は好位置をキープし最後の仕掛けから2着に入った久田が「(山崎の)加速がすごすぎて反応できなかった」と追走不可能であったことを明かすと、地元の声援を背に3着となった伊東佑晟(三重・125期)も「登りもあってキツくて、ついていけなかった」と、コーナーの坂も意に介さなかった山崎のパワーに白旗。久田の「山崎君が強すぎました」という感想がこのレースのすべてを物語っていたのだろう。
力強さと冷静さを併せ持つレースぶりは大人びたものだが、レース後の記念撮影で少し照れくさそうにはにかみながらポージングを決める姿や、賞金の使い道を聞かれて「親に借りていたお金を返さないと」と笑った口ぶりには年齢相応のあどけなさも残る。
欠場期間もあってまだ実戦経験は少ないため、伸びしろも十分。今後に向けては一足先に昇級を果たした同期に追いつき、そして追い越すため「一走一走を大事に」と決意を新たにした。
初々しさが残る19歳の山崎 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る 会見では将来の目標として「GⅠを獲りたいです」と即答。父が獲得した9勝を踏まえ、その目標数を問われると「まずはひとつ」と笑ったが、それだけのポテンシャルの持ち主であることは間違いないはず。偉大な父もまだ成し遂げていないグランドスラム(※)達成への期待の声も聞こえてくる。
※6つのGⅠ(日本選手権競輪、オールスター競輪、朝日新聞杯競輪祭、高松宮記念杯競輪、寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント、読売新聞社杯全日本選抜競輪)をすべて制覇すること
実力者ひしめく125期。ルーキーシリーズプラスを制した森田や山崎を筆頭に、これから彼らを追いかける新たなスター候補生の登場にも注目したい。
【Profike】
山崎歩夢(やまざき・あゆむ)
2005年3月25日生まれ。高校時代から自転車競技を始め、アジア選手権ジュニアケイリン1位、世界選手権ジュニアケイリン4位の好成績を残す。高校卒業後に日本競輪選手養成所に入所。今年5月にデビューし、松山競輪場でのルーキーシリーズ2024で優勝。11月のルーキーシリーズプラスで1着となる。父はGⅠで9勝を誇る山崎 芳仁(福島・88期)。
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