GⅠを9度制した父を持つ山崎歩夢がルーキーシリーズプラス優勝 4カ月ぶりのレースも周りは「強すぎ」と白旗

  • PR ハル飯田●文 text by Haru Iida

GⅠ王者の遺伝子を受け継ぐ、山崎歩夢 photo by Takahashi ManabuGⅠ王者の遺伝子を受け継ぐ、山崎歩夢 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

期待のサラブレッド

 4カ月のブランクを感じさせないレース運びと加速力。まさに「新人らしからぬ」という言葉がふさわしい堂々とした走りで山崎歩夢(福島・125期)が「ルーキーシリーズプラス」を制した。

 今年3月に日本競輪選手養成所を卒業した125期の新人選手は、5月から4回にわたる「ルーキーシリーズ2024」でデビューを果たしており、今回のルーキーシリーズプラスはその優勝者と競走成績上位者から選抜されたメンバーで争われた。初レースから半年、それぞれ成長した実力をぶつけ合う舞台だ。

 このルーキーシリーズプラスは、125期の男子が2回、126期の女子が1回開催されるが、10月29日に行なわれた男子1回目のルーキーシリーズプラスでは、125期唯一のS級選手でありナショナルBチームにも所属する森田一郎(埼玉・125期)が前評判に違わぬレースぶりを見せ優勝した。

 そして、男子2回目となった11月10日のレースに選出された7選手は、早くもA級2班へ昇格した選手を含め、実力者ぞろいでかつ、その力は拮抗していると目されていた。

 舞台は、走路が広くクセがないと評される四日市競輪場。曇り空に覆われ冷え込みを感じるなかだったが、それを吹き飛ばすかのような熱気あふれる真っ向勝負が展開され、最年少19歳の山崎がこのレースを制した。

 山崎は、GⅠで9勝の実績を誇る山崎芳仁(福島・88期)を父に持つ。高校時代には自転車競技でジュニア世界選手権にも出場し、アジア選手権のジュニア男子ケイリンでは金メダルに輝いた。養成所の記録会でも優秀成績の証である「ゴールデンキャップ」を獲得し、話題性と実力を兼ね備えたサラブレッドとして期待を集める逸材だ。

4カ月ぶりの実戦も冷静に実力発揮

 実は山崎にとってこのレースは同期との戦いであると同時に復帰戦でもあった。初レースとなった5月の函館でのルーキーシリーズでは初日、2日目を1着で勝ち上がり決勝で6着の成績を残すと、続く松山でのルーキーシリーズでは他選手が落車するアクシデントのなか見事に初優勝を飾る。

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