尾方真生がビッグレース初優勝 「これでいいのかという迷い」からこだわりの先行で姉弟子ふたりを撃破

  • PR 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro

最後のガールズケイリンフェスティバルを制した尾方真生 photo by Takahashi Manabu最後のガールズケイリンフェスティバルを制した尾方真生 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

尾方が会心の走りでV

 7月13日から15日にかけて松戸競輪場で開催された「ガールズケイリンフェスティバル2024」。来年から8月の女子オールスター競輪がGI開催となるため、今開催をもって発展的に解消されることが決まっている。その「ガルフェス」の歴史の最後に名前を刻んだのは、尾方真生だった。

「(デビューから)5年間、長かったんですけど、しっかり自分の走りで優勝できてよかったと思います」

 これが特別レースでの初優勝。尾方はウイニングランでガッツポーズを繰り返し、喜びに浸った。

 昨年11月から4月を選考期間として、ガールズグランプリ2023で1位から3位となった選手や、GⅠ優勝者などの基準で選考された21名が出場した今開催。そのなかから児玉碧衣、山原さくら、中野咲、坂口楓華、當銘直美、小林優香、そして尾方が決勝に進出した。

 なかでも過去3回、ガールズケイリンの最高峰の舞台、ガールズグランプリを制したキャリアを持ち、今開催前までの賞金ランキング1位の児玉が人気を集めた。特別レースでは9回の優勝経験があるが、この開催だけは勝ったことがない。それだけに「攻めるレースでラストの開催を勝ちたい」と意欲を見せていた。

 レースは1周回目で當銘が先頭に出るも、2周回目で尾方がその前に立って先行狙いにきた。二番手に當銘、三番手は坂口。そして山原、児玉、中野の順でレースは進んでいく。残り2周回に入って打鐘されると、まず動いたのが後方にいた山原。それを確認すると尾方もペースアップし、児玉も山原について上がっていく。しかし山原の仕掛けが不発に終わると、逃げる尾方に當銘、坂口が追う形となり、内側から小林も上がってきたが、尾方はその猛追を振りきった。

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