SMBCのスポーツ協賛のかたち 「親和性の重視」「企業価値の向上」「ファンづくり」を目指しつつ理解度の浸透を狙う (2ページ目)
きっかけは前社長からの提案
近年の主だった協賛のひとつが、D.LEAGUEだ。現23-24シーズンから協賛をスタートさせ、シーズンチャンピオンを決める6月9日(日)のCHAMPIONSHIPをもって1シーズン目を終了する。この協賛のきっかけのひとつが、2023年11月に逝去された三井住友フィナンシャルグループの太田純前社長の思いだった。
「D.LEAGUEへの協賛を検討し始めたのは、昨年の1~2月くらいからです。きっかけは前社長の存在が非常に大きいです。彼は、急速に変化する時代のなかで銀行が銀行のままであり続けることへの危機感を持っており、『カラを破ろう』をキーワードに、社内外へ積極的に発信し続けていました。その言葉どおりに、枠にとらわれない取り組みを数多く実行されていましたが、そんな太田社長の発案のひとつが、D.LEAGUEへの協賛でした」
前社長からの話をきっかけに社内で議論を開始。SMBCの経営理念、ビジョン、Five Valuesを踏まえて、実際に何度も会場へ足を運んで検討を行なった。
「ダンスは、個の力が突出しているものというイメージが当初ありましたが、D.LEAGUEを実際に拝見させていただくと、ひとりでは生み出せない作品をチーム全員が作り上げていました。ステージ上だけではなく、その裏には振付師、コンポーザーなどDリーガーを支えるさまざまな人たちがいます。SMBCは、D.LEAGUEと同じです。ひとり一人役割の異なる従業員がチームとなって一致団結することで、お客さまに価値のあるサービスを提供しています。一見すると共通点がないように感じるかもしれませんが、根本的な考え方の部分でつながっていると思います」
加えて、D.LEAGUE自体が世界初のプロダンスリーグであり、"ダンスの見方・見せ方のNEW STANDARDをつくる"というビジョンの元で、日本国内外に向けて発信していることにも深く感銘を受け、その姿勢に共感を持ったという。
また、"ダンサーがダンサーのままメジャーになる世界をつくる"という世界にまだない挑戦を行なっているD.LEAGUEは、太田前社長の思いとも一致しており、「挑戦を大事にするSMBCの企業カルチャーと合致する部分がある」と判断し、協賛に至った。
D.LEAGUEへの協賛について社内からは、「自分自身、長くダンスをやっていました。プロの試合を間近に見ることができて刺激をもらいました」「銀行は古くて固いイメージを持たれがちですが、そのイメージとは違うダンスの普及や日本の新しい文化の育成をお手伝いさせていただくことで、さまざまな効果が期待できると思います」といったポジティブな反響が多数寄せられている。
さらに、社外からの反応については、これまでのスポーツ協賛(日本シリーズ・ラグビー)では多くなかった若者や女性からの反響も多く、新たな層へのアプローチができていると手ごたえを感じているという。
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