大坂なおみ、待ちに待った全米OP。
初優勝した2年前の再現なるか (2ページ目)
女子のほうでは、この動きはさらに顕著だ。世界1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)は出場エントリーすらせず、エントリー締め切り後にも、5位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)、前年優勝者で6位のビアンカ・アンドレスク(カナダ)らが欠場表明。決断を保留していた2位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)も、プラハ・オープン優勝の翌日に出場を辞退。かくして女子は、少なくともトップ10中4人が欠場する事態となっている。
実力者たちの欠場により、ここ数年混沌としている女子の上位争いは、さらに混迷を極めそうな機運だ。ただでさえ5カ月の空白期間は、テニスの世界では稀有。しかも、その間にどれほどの練習やトレーニングを積めたかは、拠点とする地域や環境によって千差万別だ。
その傾向は、8月上旬に開幕したWTAツアー大会でも、すでに表面化している。
レキシントン大会ではジェニファー・ブレイディ(アメリカ/40位)がツアー初タイトルを確保し、パレルモ・オープンを制したのもノーシードのフィオナ・フェロ(フランス/45位)。プラハ・オープンを制したのは実力者のハレプだが、その彼女にしても初戦は最終セットでタイブレークにもつれ込む大苦戦を強いられた。
そのような状況下で迎える全米の最大関心事項は、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ/9位)の史上最多タイとなる「24度目のグランドスラムタイトル」獲得なるかだ。
そうなれば想起されるのが、2年前にセレナの夢を決勝で打ち破った大坂なおみ(10位)。彼女もまた、今大会の優勝候補最右翼のひとりである。
全米前の出場大会はウェスタン&サザン・オープンのみだが、8月27日時点で準々決勝を勝ち上がり、28日に準決勝を迎えるなど、結果を出している。
大坂のプレーは豪胆に見えるが、完璧主義者で、思い描くイメージと肉体の動きの乖離に敏感な選手である。その意味でも、ツアー再開の初期段階で要となるのは、自分自身との戦いだろう。前哨戦ではここまで粘り強いプレーができているため、全米オープン序盤での苦しい戦いを乗り切れれば、一気に加速がつく可能性も高い。
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