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大坂なおみ、待ちに待った全米OP。
初優勝した2年前の再現なるか

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images


今大会の優勝候補最右翼のひとり、大坂なおみ今大会の優勝候補最右翼のひとり、大坂なおみ
 直前まで、多くの選手や関係者たちの「本当に開催されるのだろうか?」との疑念に包まれていた全米オープンが、いよいよ8月31日に開幕する。

 カリフォルニア州インディアンウェルズで開催予定だったBNPパリバ・オープンが新型コロナウイルスの影響で開幕前日に中止になったのが、3月上旬のこと。

 それから、5カ月――。アメリカ大陸西海岸で停止したテニスの世界が、約4,000キロ離れた東海岸のニューヨークで、ついに再始動の時を迎える。

「新しいスタンダード」は、全米オープンでも掲げられるスローガンのひとつだ。

 選手たちが見慣れた会場で目にする景色も、これまでとは大きく異なるだろう。

 まずは、無観客。雑踏と雑談、そしてビールやケチャップの匂いに満たされる、あの全米オープン特有の高揚感は、今年は存在しない。

 メディアやスタッフの数も大幅に規制され、ゾーニングを徹底することで選手の安全を確保することも、今大会の最優先事項。選手や、選手と常時行動をともにするコーチやトレーナーは4日に一度のPCR検査を受け、行動範囲は会場とホテル間に規制される。会場で働く大会スタッフや関係者も、選手に接する機会のある者は、定期的にPCR検査を受けるのがルールだ。

 ただ、それだけ主催者側が厳重な対策を講じても、北米拠点以外の選手たちは、海を渡り参戦することに慎重だ。

 男子では、前年優勝者のラファエル・ナダル(スペイン)が早々に欠場を表明。世界9位のガエル・モンフィス(フランス)、15位のスタン・ワウリンカ(スイス)、そして「ツアー再開は時期尚早」と強く訴えているニック・キリオス(オーストラリア)らも出場を辞退している。なお、2月に右ひざにメスを入れたロジャー・フェデラー(スイス)は、今季中の復帰はないことをすでに表明している。

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