世界水泳で100分の1秒の計時を支えるオメガのハイテクシステム (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之/PICSPORT●写真 photo by Nakamura Hiroyuki/PICSPORT

 近年では、ゴールのタッチパネルとスタート台を映すハイスピードビデオカメラが4台設置されている。その映像を、微妙な着順判定やリレー種目での違反スタートの判定などに審判が活用するなど、判定の厳格性にも大きく貢献している。

 また、スタート台も大きく改良されてきており、リアクションタイムも足が離れた瞬間に計測を開始することが可能になった。スタート合図のシステムも小型のパネルとなり、コールの音声とスタートのブザー音を各スタート台の下に内蔵したスピーカーから出すことで、レーンによってのタイムラグが生まれないようになっている。スタート台に関しては、足を置いて蹴るためのスターティングブロックや、背泳ぎのスタートのための着脱式装置も開発し、競技性を高める改良も行なっている。

 一方の計時システムは、非常にコンパクトながら100万分の1秒単位での計測ができる、最新の「クァンタム・アクアティクス・タイマー」を導入。数値を保存するだけではなく、瞬時にデータとして世界中に配信できるようにもなっている。

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