欧米の学会でも話題に!
ドクターたちも困ってる「ちょい漏れ問題」 (2ページ目)
――ということは、竿周りの筋肉を鍛えればちょい漏れは防げたりする......?
髙橋 ダンベルを下げて鍛えられるような筋肉ではないので、さすがにそれは無理ですね(苦笑)。実は欧米でもこの件は話題になっていまして。ヨーロッパの泌尿器学会が出した診療のガイドラインでは、もっとも有効な対策として、残った尿をキュッと絞る‟ミルキング"を挙げています。ミルキングは個室で便座に座り、"サオ"の手前から先へとしごくようにして行います。
「ちょい漏れ」は国際的なトピックなのです
立ち小便の時は、ベルトを緩め、ズボンを途中までおろしてラクな姿勢になるのが尿漏れを防ぐコツ。なぜかというと、いまのおしゃれなズボンは社会の窓が高い位置に付いていて、オシッコをする時にそこから竿を引き出すと、陰茎部の根元が上向きになってしまう。そしてそのままの状態でオシッコをすると、根元に尿が溜まりやすくなるからです。
HONDA(本田技研工業)の創業者、本田宗一郎氏が初めてスーツをオーダーした時、「社会の窓の位置が高すぎると、私のような中年男は小便の切れが悪くなる」といって、5㎝下に穴を作り直させたとか。そのエピソードを知った時、さすがに物事のメカニズムを熟知した方だなと思いました。
――年齢を重ねれば誰にでも尿漏れは起こる、残念だけど避けられないということですね?
髙橋 排尿後尿滴下は病気ではなく老化によって起こる現象なので、ほぼすべての男性が経験します。時期には個人差があり、早ければ30代で始まる人もいますが、40代になって症状を自覚する人が多いですね。先ほどお話した球海綿体筋は、尿を飛ばすのと同時に精液をビュッと飛ばす機能も備えています。このため、性機能の衰えと同時期に排尿後尿滴下の症状を訴える男性も少なくありません。メタボが原因で勃起障害や射精障害を発し、排尿後尿滴下を悪化させないように、食事の内容を見直し、生活に運動を取り入れましょう。長時間座りっぱなしで仕事をする人も、下半身の血流が滞ってちょい漏れやEDが起こりやすくなるので注意が必要です。
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