夏のスポーツにこそ、正しい食生活と
アミノ酸が欠かせない

  • text by Sportiva
  • photo by Ito Haruyo

 いざ勝負の夏! 今年の夏もよりいっそうスポーツが注目されている。自分へのチャレンジを続けるアマチュアアスリートや一般のスポーツ愛好家にとっても、この夏をいかに過ごすかは大きなテーマだ。好天に恵まれる一方で高温多湿な夏は、ともすれば食欲不振やパフォーマンス低下を招く恐れもある。

 そこで、北京オリンピックに競泳日本代表として出場した実績を持ち、引退後は管理栄養士の資格を取得、アスリートからジュニアまで幅広く栄養面でサポートする柴田隆一氏に、スポーツを楽しみながら夏をうまく過ごす方法を教えてもらった。

管理栄養士としての高い見識からアドバイスしてくれた柴田隆一氏管理栄養士としての高い見識からアドバイスしてくれた柴田隆一氏

──アスリートにとって"夏"とはどのような季節ですか?

柴田 多くの競技で夏には大きな大会が行なわれますし、夏以外がメインの競技でも強化合宿や遠征などがあり、とても大切なシーズンです。暑くてよく眠れなかったり、食欲不振などから夏バテになったりしやすく、難しい時期ですが、それをうまく乗り越えてこの時期に力をつけていかなければなりません。

──夏バテになってしまった経験はありますか?

柴田 僕は母が食事にとても気をつかってくれたので、幼少時代からしっかりとした食生活を続けてきました。主菜は肉と魚が日替わりで、ほかに汁物や副菜などもバランスのとれたメニューが食卓に並んでいました。おかげで自然ときちんとした食生活が身についたため、夏バテで食欲がなくなることはなかったし、3歳から25歳まで23年間の競技人生で大きな故障をしたこともありません。

──では、ご自身で栄養のことを考えるようになったのは?

柴田 高校時代からです。当時、競泳で日本一の強豪だった日大豊山高校では、血液や尿検査で選手の栄養状態を把握し、一人ひとりに合わせた栄養管理が行なわれていました。よく言われていたのは、たんぱく質と鉄分。運動すれば、たんぱく質が使われてしまうから、その分は摂らなければいけない。酸素運搬能力に必要な鉄分を摂取しなければならないというようなことも教わりました。まず基本として、きちんとした食生活を守り、それでも不足するために"補食"が重要であることを知ったのもその頃です。

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