就職人気企業ランキングを投資教育を学ぶ高校野球部生と考える「企業に大事なのは成長するかどうか」

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

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 昨年度から始まった高校生向けの投資教育。集英高校の家庭科の授業で生徒たちに投資について教えている奥野一成先生は、野球部の顧問でもある。その奥野先生から、練習の前後などに経済に関するさまざまな話を聞いているのが3年生の野球部女子マネージャー・佐々木由紀と新入部員の野球小僧・鈴木一郎だ。

 前回は、運用をプロに任せる金融商品の一種、投資信託について話を聞いた。投資信託は、特に初心者が投資について親しみ学ぶ第一歩として有用であるのと当時に、運用を任せきるのではなく、自分の頭で考えることも、ビジネスのスキルという意味でも大切だ、ということを学んだ。個別の株を買うかどうかは別にして、企業について考えることの重要性を再認識したのだった。

鈴木「あと何年かしたら、僕らの大半は現実にどこかの企業に就職したりするわけだからね」
由紀「そうよ。今は転職する人が珍しくないと言うけど、いったん入ったら、そこでかなりの時間を過ごすことになる。企業について勉強して、自分がどこに入りたいかを決めるって、すごく難しい作業だと思うわ」
鈴木「就職って1社しかできなから、分散投資なんてできないしね。先輩、こういうのって、知ってます?」

 鈴木が取り出しのは、今年4月に就職した新社会人が大学生の時に行なったアンケートの結果だ(「マイナビ・日経2023年卒大学生就職企業人気ランキング」)。それによると文系学生、理系学生それぞれのベスト10は――。

<文系>
1,東京海上日動火災保険
2,ソニーグループ 
3,ニトリ 
4,日本生命保険 
5,伊藤忠商事  
6,ソニーミュージックグループ  
7,講談社
8,損害保険ジャパン 
9,バンダイ
10,味の素

<理系>
1,ソニーグループ 
2,味の素 
3,富士通 
4,NTTデータ 
5,トヨタ自動車 
6,サントリーグループ 
7,Sky  
8,三菱重工業
9,カゴメ 
10,キヤノン

由紀「毎年、こうしたランキングが発表されているわね。奥野先生、ここから何が読みとれるでしょうか」

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