投資教育の授業を受けている高校野球部生は株価に興味シンシン 「で、どの株を買えば儲かるんですか?」

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

奥野一成のマネー&スポーツ講座(25)~株価はこうして上がる(下がる)

 日が沈む時間が少しずつ遅くなり、集英社高校の運動部の部室が並ぶ体育館脇の校舎も活気を帯びてきた。野球部の部室の一画では3年生の野球部女子マネージャー・佐々木由紀と新入部員の野球小僧・鈴木一郎が何やら話し込んでいる。

 野球部顧問を務めながら、家庭科の授業で生徒たちに投資について教えている奥野一成先生から、経済に関するさまざまな話を聞いてきたふたりは、これまでは「父親が通うところ」という程度の認識しかなかった「会社」「企業」に、強い関心を抱くようになっていた。前回は、マネージャーの役割から始まって、企業という組織のあり方について説明を受けた。

鈴木「野球部だってひとつの組織。硬直化を防がなければ」
由紀「でも高校の場合、ある時期になると3年生が抜けて、4月になると新入生が入ってくるじゃないですか。それで自然と変わっていく部分もあるわよ」

 企業といえば、企業と社会の関わりのなかで大切な要素のひとつが「株式」。このことについては家庭科の投資教育でも触れられている。「奥野一成のマネー&スポーツ講座(20)~投資教育と株式投資」では実際に株式を売買している高校生の例を紹介したが、ふたりは株価についても興味津々だ。

鈴木「いつもニュースの最後に日経平均がどうとか、トピックス(TOPIX)がどうしたとか言ってるじゃないですか」
由紀「それだけ重要な数字だっていうことなんでしょうね。でもそれが私たちとどう関係するのか、まだあまりよくわからない」

「働かないうちはなかなかわからないよね」と言って、奥野先生が会話に加わってきた。

奥野「ちなみに日経平均株価は日本経済新聞社が算出・公表している日本の株式市場の指数のひとつ。TOPIXは東証株価指数で、東京証券取引所が第一部上場株式銘柄を対象として算出・公表してる指数です」

鈴木「株を持っていると、株価が上がれば儲かるし、株価が下がれば損するわけですよね。ズバリ聞きます。先生、どんな株を買えば儲かるんですか?」

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