投資教育の授業を受けている高校野球部生は株価に興味シンシン 「で、どの株を買えば儲かるんですか?」 (2ページ目)
【日々、株価が上下動する理由】
奥野「証券会社の店頭に行くと、会社名が入っていて、たくさんの数字が並んでいる株価ボードが壁にかかっているんだけど、見たことある?
この数字が株価で、見ているとわかるんだけど、時々刻々と変動しているんだ。1分前までは1000円だったのが、今は1100円だったりする。株価はものすごく短時間で動いているんだ。
そして日々、このような細かい値動きを繰り返しながら、長期的に少しずつ上昇トレンド、下降トレンドを描いていく。つまり株価の値動きは、長期的な上昇カーブ、下降カーブのなかに、日々の短期的な上下動があるとイメージしてくれればいいんじゃないかな。
ふたりとも、どうして株価が動くのかという点に関心を持ったと思うんだけど、長期的な上昇カーブ・下降カーブと、日々の上下動とでは、いささか異なる要因で動いているんだ。
まず日々、株価に上下動が発生する要因は、物理的に言ってしまうと『需給関係』以外の何物でもない。そう言いきってしまってもいいだろうね。需給関係っていうのは、『その株式を買いたいという力と、売りたいという力の、どちらが強いのか』ということだよ。
たとえばある会社の株式を100万株買いたいという人たちがいる一方、その会社の株式を70万株売りたいという人たちがいたら、まず70万株の取引は成立するけれども、残り30万株の買いに対する売りが出てくるまで、株価は上昇し続ける。
逆に売り株数のほうが多ければ、残った売り株数に見合うだけの買い株数が出てくるまで、株価は下がり続けるんだ。
こうして株価は毎日、時々刻々と動いているんだけど、この需給関係は、たとえばその会社の業績に悪影響を及ぼす不祥事のニュースが出たとか、有名な機関投資家がたくさん買ったとか、四半期ごとに発表される四半期決算の数字が悪かったとか、そういう理由で常時、変わっていく。
この小さい値動きを捉えて売買を繰り返し、利益を積み上げていくのが、デイトレーダーやスイングトレーダーと呼ばれている短期投資家の人たちなんだ。
一方、こうした日々の値動きに一喜一憂せず、長期的な上昇カーブを捉えて運用収益の確保を狙う投資家もいる。これが長期投資家だと言ってもいいかな」
鈴木「長期的な投資の損益も需給関係で決まるんですか」
由紀「デイトレーダーみたいな短期投資のほうが利益を得やすいのでしょうか」
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