投資教育の授業を受けている高校野球部生は株価に興味シンシン 「で、どの株を買えば儲かるんですか?」 (3ページ目)
【長期的な上昇カーブを生む要因】
奥野「まず由紀さんの疑問に答えてみようか。短期投資で儲かるかどうかは、需給関係に影響を及ぼす材料が出た時、それが株価にとって上昇要因なのか、それとも下落要因なのかを、瞬時の判断で当てられるかどうかにかかっているんだ。当てられる人であれば、儲けるチャンスに恵まれるけれども、この手の『当てっこ』は、当然のことながら外れることもある。ちょっとギャンブルに近いところがあるし、再現性が乏しいとも言えるんだ。
株式投資をギャンブルではなく『投資』として考えるならば、投資する期間を長期で捉えることが大事だね。日々の上下動で利益を得るのではなく、5年、10年という時間軸のなかで、株価が描く上昇カーブに乗って利益を得る、というイメージを持つこと。
じゃあ、株価の長期的な上昇カーブは、何を要因にして描かれるのかということなんだけれども、これが企業の利益なんだ。株価の長期的な値動きは、利益に連動していると断言してもいい。
企業活動を続けていくなかで、毎年しっかり利益を出せると、過去からの利益が積み上がっていくよね。この利益の積み重ねが5年経ち、10年経つなかで、どんどん大きくなっていくと、株価は上がっていくんだ。
皆も馴染みのある会社を事例に挙げてみようか。スポーツ用品メーカーで世界的に有名なナイキの利益を1991年から見ていくと、長期的にずっと増えていることがわかるでしょ。で、株価もそれに連動して上昇トレンドが続いている。
ちょっと難しい話になっちゃうんだけど、会社の純利益、つまり会社が得た収益から、法人税も含めてすべての費用を差し引いた残りの額を、その会社が発行している株式数で割ると、「1株あたり純利益」が計算できるんだ。これを投資家たちはEPSと呼んでいて、その額が長期的に増え続ける会社の株価は、長期的に上昇すると言っていいだろうね」
鈴木「でも、会社の利益って、増えたり減ったりしますよね」
由紀「利益が長期的に増え続ける会社って、どんな会社なんですか」
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