2021.12.23

普通の女子高生がバブリーダンスを機に芸能界へ。伊原六花が語る学生時代と女優の今

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • 佐野隆●撮影 photo by Sano Takashi

『This is My Dance 〜 私の青春』(2)
伊原六花インタビュー@後編
前編はこちら>>「伊原六花の人生を変えた高校入学の分岐点」
中編はこちら>>「これでどうやって踊るの?の戸惑いから紅白歌合戦出場へ」

「え、ヤバイです! なんかツイートしてくれてるんですけど!」

 スマホをのぞき込む後輩の声が、いつものランチタイムを「めっちゃ覚えている」忘れがたい瞬間へと塗り替えた。

 大阪府立登美丘(とみおか)高校ダンス部キャプテンとして、全国優勝を目指していた夏。その地方予選を終え、全国大会に向けて練習を重ねる日々のなかの、休憩時間での出来事だ。

 後輩がスマホのなかに見つけたのは、自分たちの予選のダンス動画に触れた、あるツイートだった。

"つぶやき"の主は、荻野目洋子。ダンスに用いた楽曲『ダンシング・ヒーロー』を歌うアーティストその人だ。

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バブリーダンスで一躍有名になった伊原六花さんバブリーダンスで一躍有名になった伊原六花さん この記事に関連する写真を見る 「予選が終わったあとに大会の映像が流れた時、それを荻野目洋子さんが見つけてくださり、『楽曲使ってくれてありがとう、学園祭とか行きたいな』とツイートしてくださったんです。

『うわー、本人に届いたー!』ってみんなで喜んだんですが、まさかそのあと、ご本人とご一緒できたり、生歌で踊らせていただく機会があるなんて思いもしませんでした」

 お昼休みに友人たちと車座になり、食事をしながら談笑するという、どの高校でも見られるあまりに日常的な光景。そのなかに突如降って下りたささやかな非日常は、ひとりの女子高校生を"伊原六花"というアーティストへと誘った。

 優勝のみを狙っていた夏の全国大会で、伊原キャプテン率いる登美丘高校ダンス部は、準優勝の結果に終わる。ただ、80年代ファッションや風俗を題材にした『バブリーダンス』はYouTubeの動画やソーシャルメディアでバズり、テレビでも取り上げられはじめた。やがては高校ダンス部にも、取材や出演依頼が舞い込むようになる。