検索

DeNA今永昇太流、『呪術廻戦』の楽しみ方。「いつか黒閃のようなボールが投げたい」 (3ページ目)

  • 石塚隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 昨年秋に左肩のクリーニング手術をして現在は調整中の今永であるが、ここ数年、圧倒的なピッチングをもってチームを勝利に導いてきたエースらしい言葉である。

「五条先生と特級呪霊の『漏瑚(じょうご)との戦い』は印象に残っています。本当、どんだけ強いんだって驚かされましたよ」

『呪術廻戦』は、人間である呪術師と、呪いから生まれた呪霊の戦いを描いているわけだが、ストーリーの設定が特殊であるうえに、日常生活では聞き慣れない「呪術用語」が出てくるため、人によっては読み進むのに難儀すると言われている。しかし、球界一と言われる哲学とロジック、語彙力に長けた今永にしてみれば、その点も非常に好みなのだという。

「"呪力"や"術式"、"領域展開"って何なのか? 僕は疑問があったりわからなかったら、すぐにネットで調べます。例えば"領域展開"であれば、自分の中の生得領域、つまり心の中を具現化できるということ。それが決まれば自分の術式は必中になるとか、そういったことを一個一個理解して自分としては先に進みたいので、そのたびに調べていますし、そんな楽しみ方も面白いですよね」

 また物語を通して重要なバトルシーンでは"黒閃(こくせん)"という現象が起こることもあるのだが、この黒閃を発生させると呪術師は"ゾーン"に入ったような状態になるという。今永自身はマウンドに立っている時に体力と技術と心がリンクすることで、普段以上の力を発揮するようなことはあるのだろうか。

「あまり考えたことはないのですが、そういった状態になるということは優れたパフォーマンスを発揮できているということだと思いますね。黒閃は再現性が大事だと言いますし、ピッチングもまた再現性があればいいボールが投げられる。僕もいつか黒閃のようなボールが投げられればいいですね」

 今永はそう言うとニコッと笑った。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る