キングダム特別動画にキョウカイ役で出演。山本千尋が語る撮影当時と女優の今 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

 いわゆる立ち回り、アクションについては持ち前の運動神経を発揮した。だが、セリフ覚えや演技については当然ながら未熟さを痛感した。

「その場で乗り越えている感じでしたね。わからないことが多すぎて、考えることもできなかったので。ただ、ありがたいことに福本清三さんも斬られ役をされてきた方だったので、じつはちゃんとしたお芝居というのがその時が初めてで。70代の方に言うのも失礼かもしれないのですが、セリフを言うお芝居ということでは初めて同士だったんです。

 それをわかってくださるスタッフさんたちでしたし、福本さんのことを慕う同じ斬られ役の方たちが現場に入ってくださっていたので、その環境に感謝しながら私としてはその日その日を乗り越えることに専念していました。

 私にとって、すべてが新鮮でしたね。カメラがあることもそうだし、自分が台本を読んでいることも新鮮だし、お芝居をしていることも。それがすごく楽しいという気持ちだったので、緊張や不安はなかったです」

 それからキャリアを重ねていくなかで、2015年には演技を習うためにアメリカ留学も経験した。 

「目標の一つとして、ハリウッド作品に出たいというのがあるんです。半年間だけでしたが、語学留学プラス、アクティングスクールに通わせてもらいました。アメリカの雰囲気や世界観を感じられて、日本でもっと頑張ろうという気持ちで帰ってきました」

 じつは、「当初の予定では、留学は1年間でした」。しかし、ある大きな仕事が舞い込み、半年で帰国することを決断。それが『キングダム』の連載10周年実写特別動画プロジェクトに羌瘣役で出演する話だった。

「もともと『キングダム』は大好きで、もちろん羌瘣のことも知っていました。だから話を聞いたときは、『えっ!! 私でいいのかな』って思いました。まだ女優を始めて2年とかそれぐらいしかたっていなかったので、そんな大きな役をさせていただいてもいいのかなって。でも、『いや、待てよ。私以外する人はいないか』とかも思ったり(笑)」

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