武術太極拳で世界一も16歳で競技引退。山本千尋が葛藤のすえ選んだ道
武術太極拳で世界一!
女優・山本千尋インタビュー(前編)
「撮影しながらも、迫力がスゴすぎて怖かった」
カメラマンが撮影後につぶやいた。
競技用の剣を持参し、みごとな演舞を披露してくれた山本千尋さん
今回、スポルティーバに登場してもらったのは、山本千尋さん。今年9月にネット配信された話題作『誰かが、見ている』(主演:香取慎吾、脚本・演出:三谷幸喜)に粕谷あかね役で出演し、直近では『じっくりコトコト こんがりパン』のCMで「あのカワイイ子は誰?」と話題になっている女優さんだ。
そんな女優さんに対してカメラマンはいったい何が怖かったのか。
山本さんは武術太極拳で世界一にも輝いたことがある元アスリート。現在もその腕前は衰えておらず、4年前に配信された人気マンガ『キングダム』の連載10周年実写特別動画では羌瘣(キョウカイ)役を演じ、話題となった。
今回、撮影を行なうにあたり、剣(競技用)を持参してもらい、みごとな演舞を披露してもらった。その鋭い動きと美しさはまさに圧倒的。表情は真剣そのもので、目力など迫力満点。撮影していたカメラマンが思わずつぶやいたのが冒頭の言葉だった。
山本さんが中国武術を習い始めたのは3歳の時。母親に連れられて武術の教室に行ったのが契機だった。
「母がもともと香港映画とかジャッキー・チェン、ジェット・リーの大ファンで。母は姉を教室に連れて行きたかったんですけれども、私が小さくて留守番をひとりでできなかったので一緒に連れて行ってもらったんです」
すると、自身いわくの「あるあるパターン」に。姉ではなく、妹が好きになり、そのまま16歳まで続けることになった。それほど中国武術にハマった理由をこう語る。
「とにかく体を動かすことが好きで、最初は自分が中国武術をしているという意識もなく、ただ遊びに行っているような感覚だったんです。小学2年生ぐらいの時には、一見みんな同じような動きをしているように見えるのですが、じつは人それぞれ性格や個性によって美しい動きをする子もいれば、力強い動きをする子たちもいると思うようになって。自分の内に秘めているものを表現するという競技で、魅力的だなと思ったんです」
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