世界水泳で判明。渡辺一平が東京五輪で金メダルをとるための課題 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 二宮渉●写真 photo by Ninomiya Wataru

 そして、こう続ける。

「数字で表わすと悔しさは80ですね。金メダルを目標にここまで頑張ってきたし、世界記録も塗り替えられて、圧倒的に悔しさの方が大きい。でも精一杯できたかなと思うし、これだけ強いライバルがいるという、20はうれしさです。今回、準決勝では自分のレースプランをしっかり実行できたし、決勝でも自分の最高のレースプランで勝負することができたと思っている。日本選手権の時より、準決勝も決勝も速く泳ぐことができているので、そこは強くなっているのかなと思います」

 渡辺が、万全な状態で出場できなかったことは事実だ。昨年の10月くらいから、しっかりと基礎を作って臨めた3月の高地合宿に比べ、日本選手権後はコンディショニングがうまくいかない時期があった。

 そんな状態だったからこそ、予選と準決勝はなるべく力を使わない戦略を取ったが、決勝で2分6秒台を出してメダルを獲得できたのは、彼にとって大きな成果だったと言える。3本きっちりと揃えることの難しさを実感したという渡辺は続けてこう述べた。

「これから東京五輪までの1年間は、地獄のような練習に耐えて、天国のような表彰台に上がりたい」

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