2017.07.28

「恐怖の種目」200mバタフライの
キツさを、スペシャリストが語る

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi photo by Enrico Calderoni/AFLO SPORT)

世界水泳短期集中連載・「キャプテン」松田丈志の目線(4)

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 世界大会で日本人初の金メダルの期待が高まった男子200mバタフライだったが、結果は瀬戸大也が1分54秒21で銅メダル。坂井聖人が1分55秒04で6位という結果だった。地元ハンガリーにも2人のメダル候補がいたため、会場のボルテージは最高潮の中でのレースだった。

200mバタフライ決勝、準決勝を1位通過した瀬戸大也は3位に

  私も今大会開幕前、坂井の金メダルの可能性はかなり高いとみていた。それは今シーズン、高いレベルで安定した記録を出していたからだ。

 4月の日本選手権では1分53秒71を記録し、世界水泳の決勝でいえば、銀メダルが獲れるタイムで泳いでいる。しかも、その日本選手権のレースではさらなる進化を求め、前半から攻めて自身のベスト記録であるリオ五輪の100mの通過タイムより0秒54速い53秒81というハイペースで突っ込んで入っていた。その前半からハイペースで飛ばしたレースでも最終的に1分53秒台でまとめられる力を見た時に、これは金メダルの可能性があると感じた。その後、5月に行なわれたジャパンオープンでも1分54秒78で泳いでいる。この大会は日本選手権とは違いコンディションを合わせた大会ではないにもかかわらず、54秒台というタイムを揃えられる安定感に、いよいよ金メダルが見えてきたなと感じていた。

 坂井と奥野景介監督はそこから、さらに上のレベルを目指して、新たなチャレンジをした。

 高地トレーニングから下山するタイミングを変えたのだ。今回は世界水泳開幕3日前とギリギリに下山してきた。