瀬戸大也が200mで銅。初めて獲った「バタフライのメダル」の価値 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao

 笑顔でこう話していた瀬戸は、前回の世界選手権では準決勝でスタートからの浮き上がりが制限距離の15mギリギリとなり、「失格したのではないか」と焦りながら泳いだため、そこから泳ぎも崩れてしまった。「それもあったから今回の準決勝はその部分もしっかり気をつけて泳いだので、7~8割の泳ぎだったと思います。だから決勝で爆発できればもっとタイムも出せるし、面白いレースができるんじゃないかなと思います」と明るい表情を見せていた。

 決勝は、6レーンのチャド・レ クロス(南アフリカ)が最初から、ひとり飛ばす。瀬戸は、横一線の2番手集団の中で50mこそ2番手で折り返したが、100m通過では3番手に落ちた。150mではさらに遅れて、3位には0秒23差の4番手展開になった。

「チャドが(前に)出ているというのは関係なく、150mまでは準決勝と同じようにいこうと思っていました。調子がよかったのでいき過ぎてしまわないように『抑えつつ、抑えつつ』と思っていたら、逆に抑え過ぎてしまって......。最後の50mは3レーンの(タマーシュ・)ケンデレシ(ハンガリー)と競って負けないようにと頑張れたので、最終的にはよかったのかなと思います」

 200mバタフライ決勝の40分後には、200m個人メドレーの準決勝があることも頭の中にはあったのだろう。だが150mまでを抑えたことが最後には幸いした。ラスト50mは3位から2位に上げたラースロー・シェー(ハンガリー)に次ぐ29秒93というラップを出して、最終的に1分54秒21のタイムで泳ぎ、ケンデレシを抑えて銅メダル獲得を果たした。

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