80年ぶりの入賞。飛込み・板橋美波は東京五輪でヒロインになれるか (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 馬淵コーチは「技術を安定させるためには同じ種目を繰り返して、安定してきたら1本ずつ違う種目を飛ぶ、試合を意識した練習をさせた」と説明する。

 昨年の世界選手権では"前宙返り4回半抱え型"という武器を持って臨みながらも準決勝敗退で五輪出場権を取れなかった。さらに9月のアジアカップは「優勝できる」と言われながらも4位に終わり、日本選手権でも2位という結果になった。

「あの頃は一番つらくて、泣きっぱなしの1年でした」と板橋は振り返る。今年になって練習法を変えてから、屋外プール対策も兼ねて出場した7月のダイビンググランプリ・イタリア大会で優勝したことが、大きな自信になっていた。

「『ここまで来たら失うものはない』と、思い切ってできました。私の予選の2日前にあった男子3m飛板飛込みでは、寺内健さんと坂井丞さんが予選落ちしてしまって、『こうなったら自分がいい結果を残すしかない』と思いました。健さんには『エネルギーが90%くらい残っているから全部あげる』と言われました」と度胸のよさを見せた。

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