金銀銅メダル獲得でも萩野公介は
自分に怒り。リオ五輪の競泳終了

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 萩野公介にとってリオ五輪最後のレースとなった、200m個人メドレーで銀メダルを獲得した。その表彰式を終えて記者の前に立った萩野の表情には、怒りの色が浮かんでいた。それは自分に対してのものだった。

金銀銅すべてのメダルを獲得したものの、東京五輪に向けて新たな目標を見つけた萩野公介金銀銅すべてのメダルを獲得したものの、東京五輪に向けて新たな目標を見つけた萩野公介 競技初日の400m個人メドレーでは、自己記録を大幅に更新して金メダルを獲得した萩野だが、3日目の200m自由形決勝では実力を出し切れず、準決勝よりタイムを落として7位。その翌日の800mフリーリレーでは松田丈志や小堀勇気、江原騎士とともに銅メダルを獲得したことで、勢いに乗り200m個人メドレーへ。憧れの存在でもあるマイケル・フェルプスと戦える、待ち望んだレースだった。

 ところがそこには意外な展開が待っていた。前夜の準決勝では第1組で、2種目目の背泳ぎから抜け出し独泳になる展開だったものの、第2組でフェルプスやライアン・ロクテ(アメリカ)、ティアゴ・ペレイラ(ブラジル)が好記録を出し、彼らに遅れをとる4番通過で決勝は6レーンに回った。

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