32歳・松田丈志「リオ五輪では、うるさいオッサンの役目をやる」 (6ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi  是枝右恭●撮影 photo by Koreeda Ukyo

「やっぱり、金メダルを狙いたいですね。五輪で唯一、獲っていないのは金メダルだし、可能性もあると思うので。1泳(第1泳者)にトップで帰ってくる可能性を持っている萩野がいるのは、かなり大きい。僕と小堀勇気はスタートが下手なので、1泳だと少し出遅れてしまう。でも、萩野はスタートもうまいし、僕や小堀も引き継ぎなら速く泳げるので、アドバンテージになりますね。

 個人の200m自由形でメダルを狙える萩野がいる一方、残りの僕ら3人がリレーだけに絞れるという状況も有利になると思います。200m自由形は2日前に予選と準決勝があって前日が決勝だから、ライバル国の上位2名は疲れもあるはず。ライバルは、アメリカとオーストラリアでしょう。ヨーロッパ勢(イギリス、フランス)は速いタイムを出していないので、メダル獲得の手応えを持ちながら貪欲に金メダルを狙っていき、その可能性をどこまで広げられるかがカギだと思っています」

(後編につづく)


photo by Koreeda Ukyophoto by Koreeda Ukyo【profile】
松田丈志(まつだ・たけし)
1984年6月23日生まれ、宮崎県出身。セガサミーホールディングス所属。4歳のときに地元・東海(とうみ)スイミングクラブで水泳を始め、久世久美子コーチの指導で頭角を現し、2004年のアネテ五輪に出場。練習環境に注目が集まり、「ビニールハウス生まれのヒーロー」と称される。北京五輪では200mバタフライで銅メダルを獲得し、ロンドン五輪では200mバタフライで銅、400mメドレーリレーで銀メダルを獲得。184cm・80kg。

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