【シンクロ】王国復活への第一歩。縮まった中国との差

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • photo by YUTAKA/AFLOSPORTS

9月特集 アジア大会2014の発見!(9)

 アジア大会第4日の22日、シンクロナイズドスイミングの「チーム」で、日本は合計181.7047点をマークして3大会連続の銀メダルを獲得した。合計得点185.7221点を出したライバル中国の3連覇を阻むことはできなかったが、「復活の兆し」を見せることができた。両者の点差をロンドン五輪の時と比べるとおよそ2.36点も縮まっていた。

シンクロナイズドスイミング・チームで銀メダルを獲得した日本シンクロナイズドスイミング・チームで銀メダルを獲得した日本 22日のフリールーティン。中国はリフトやジャンプで高さを見せるダイナミックな演技とスピード感のある美しい足技で圧倒。一方、日本は独創的な足技や足さばきで魅了し、繊細な陣形と水面をたたいて水しぶきを出すパワフルな動作のコントラストを見せて演技をまとめた。

 主将の乾友紀子は「フリールーティンは見せ場がたくさんあるので、水面の当たりを出して勢いをつけることができた。4月からたくさん練習してきたことが試合に出せた。まだまだ足りないところや磨いていくところはあるが、自分たちの成長を感じることができた。中国との差を一気に縮めることはできないけれど、この大会がスタートだと思う」と、振り返った。

 2006年ドーハ・アジア大会で盟主の座から滑り落ちた日本。かつての輝きを取り戻すために、世界的にその手腕が認められている名指導者が強化現場に帰ってきた。今年4月、日本チームの指導に10年ぶりに復帰した井村雅代コーチだ。

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