【水泳】渡部香生子「雪辱の金」で示した17歳の貫禄
最終日にしてやっと天候が回復し、晴れ間が顔を出したパンパシフィック選手権。この日、日本チームの主役は17歳の渡部香生子だった。
表彰式では嬉しさから笑顔を見せた渡部香生子 午前中の予選では、最初の種目の200m個人メドレーで、2分11秒74の3位で通過。これは自身が持つ日本記録(2分10秒65)に1秒09遅れるだけの記録だった。
その後の200m平泳ぎは、第2組で隣を泳ぐ13年世界選手権3位のミチャ・ローレンス(アメリカ)を130m過ぎから離し始め、最後も余裕を残してゴール。ローレンスに1秒26差をつける2分23秒44だった。そして、第1組で1位になった金藤理絵に次ぐ2位でA決勝進出を果たした。
夕方からの決勝はその個人2種目に加え、メドレーリレーにも出場して1時間強で3レースを泳ぐハードスケジュールだった。
最初の決勝種目は200m個人メドレー。前半のバタフライと背泳ぎでつけられた差を得意の平泳ぎで詰めきれず、最後の自由形では若干追い上げたものの、0秒49届かない2分11秒16の4位でゴールをした。
「自己記録に近い2分10秒台を出したかったけど、この寒さの中、屋外プールで2分11秒台はかなりの収穫だったと思います」と語った渡部は、次の200m平泳ぎでイメージ通りの泳ぎをした。
「レースは後半勝負になると思っていたので、そのためには前半からしっかり積極的に行って、いい位置につけておかなければと考えていました」
最初の50mを予選と同じ16ストロークで入り、通過タイムは32秒92で予選より0秒18速かった。100mまでは2レーンのローレンスやテイラー・マッケオン(オーストラリア)が飛ばす中で少し抑え、1分09秒04で3位通過。その後は150mまでにローレンスをかわして、マッケオンに0秒19差まで追い上げると、ラスト50mを全選手最速の36秒05で泳ぎ、2位に上がってきた金藤を0秒49差抑える冷静なレースをした。結果、2分21秒41で初優勝を果たしたのだ。
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