【大学駅伝】早稲田大の全日本圧勝の決め手は「5区・鈴木琉胤」 花田監督「チャッピーも『5区が大事だ』って言ってましたから」 (2ページ目)
【「正直、差が開きすぎて、逆にちょっと怖いというか」】
今回の全日本、早大はルーキーズが1区から3区に並んで起用され、大仕事をやってのけた。1区の本田桜二郎が先頭と2秒差の区間2位でつなぐと、大学駅伝デビュー戦となった2区の増子陽太は、区間新記録を打ち立てて先頭を奪った。そして、3区の新妻遼己は、出雲駅伝に続いて区間新記録を樹立し、2位との差を1分以上に広げた。
彼らは思いきりのよい走りを見せ、その実力をいかんなく発揮した。それには、あとの区間に鈴木が控えていることの安心感も大きかっただろう。
また、序盤に1年生を並べることができたのも、仮に多少のビハインドがあったとしても、5区の鈴木で取り戻せると踏んでいたからだった。
今回、"令和の三羽烏"のタスキリレーが大きな話題の的となったが、そのオーダーは決して話題先行などではない。1区での起用を想定していた吉倉ナヤブ直希(3年)が出雲駅伝後に体調を崩したため、無理をさせずに出場を見送った事情や、絶好調だった新妻を3区に起用したいという意図もあったが、緻密な分析のもとに組まれたオーダーだった。
ふたを開けてみれば、1年生3人が1分14秒もの大きな貯金を作り、4区に起用された駅伝主将の小平敦之(4年)も快調にペースを刻んで、鈴木は1分36秒もの大量リードをもってスタートを切った。
「(後輩たちが)強すぎてビビりました(笑)。心臓バクバクで落ち着かなかったです。正直、差が開きすぎて、逆にちょっと怖いというか、どこまで自分が単独でいけるかな、と思いましたし」
意外にも、鈴木は少しだけ不安を覚えていたという。5区には、中大の三宅悠斗(2年)や順大の山本悠(3年)といった力のある選手がいたが、後ろを振り返っても追いかける走者は見えず、完全に単独走となったからだった。
だが、そんな言葉が嘘に思えるくらい、鈴木は冷静だった。
「5区を言い渡された時からひとりで走ることも想定して、伊藤蒼唯さん(駒大、現・富士通)のタイムから、どれぐらいで入ればいいかを頭のなかで計算していました。(5kmを)13分台で入って、(10kmを)27分台でいって、最後も上がるかなと思っていました」
さらっとこう言ってのけるが、そのプランどおりの走りをするのは、決して簡単なことではない。それでも、5kmを13分56秒、10kmを27分55秒と、自身が想定したとおりにハイペースのレースを遂行した。
「ラストの伸びは、僕の力もあるかもしれないですけど、いいところで走らせてくれた後輩たちや主将のおかげかなと思います」
中盤で暑さを感じ、給水をとった後に「きつくなった」と言うが、ペース自体は衰えるどころか、最後はさらにペースを上げて5区12.4kmを34分31秒で走りきった。
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