【大学駅伝】初の箱根制覇へ向けて順調な國學院大、東海大は新監督のもと「スピードの東海」再起動 (3ページ目)
【「スピードの東海」が戻ってきた】
今季のトラックシーズン、東海大も充実した結果を残した。
ホクレン網走大会の5000mC組では、中野純平(3年)が組1位の13分39秒31、近藤寿樹(1年)が組2位の13分45秒97とワンツーフィニッシュ。同B組では南坂柚汰(4年)が13分39秒08、矢口陽太(4年)が13分41秒33、同A組では永本脩(4年)が13分34秒17をマークし、出場した5名全員がPB更新というすばらしい走りを見せた。さらに網走記録会の10000m3組では平井璃空(3年)が28分57秒47で組トップとなり、PBを更新した。
これだけPBが続出したのは、「スピードの東海」を取り戻すべく、西出仁明新監督が推奨するウエイトトレーニングなどの効果がさっそく出ているということか。関東インカレ1部ハーフマラソンで3位入賞、関東インカレ1部10000mでも28分19秒39のPBで3位入賞と、春からチームを牽引している中野に、自身の絶好調ぶりについて聞くと「正直、自分でもわからなくて(苦笑)。ケガなく練習を継続できていたら、いつの間にかタイムが伸びてきたという感じです」と答えた。
感性と感覚の選手らしい言葉だが、箱根予選会に向けて、夏はしっかり走り込むという。一方、南坂はチームの勢いについて「(自分たち)4年生の影響が大きい」と語る。
「今季の4年生はおとなしいのですが、競技の優先順位が高い人が残っているんです。その一番先頭にいるのが(主将の)永本で、彼の競技に取り組む姿勢を見て、下級生の意識が変わり、成長していると感じます。練習でも、自分や中野だけが速いペース設定でやっているのではなく、みんな同じ練習をして、刺激し合えているのが大きいですね」
ただし、中間層には物足りなさを感じているという。
「上のレベルの選手は、上へ、上への意識が強いし、自分も結果を出したいというスタンスですが、中間層はまだ意識が足りない。そこのレベルを上げていかないと駅伝がしんどくなるので、気にかけてやっていかないといけないですね」
南坂自身は、昨季途中からずっと好調を維持している。
「昨年と一昨年はケガでトラックシーズンを走れなかったのですが、今年はケガなく試合を積み重ねることができているのが大きいです。あと、競技に使う時間が増えたことですね。昼寝する時間を増やしたり、自炊して栄養を摂ったり、4年生で授業が少ないので、時間的な余裕を競技に向けることができています」
4年生を軸にいい状態でチームが回っている。箱根予選会は決して簡単な戦いではないが、今季の東海大は本戦でシード権を狙える力をつけつつある。
著者プロフィール
佐藤俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。
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