【箱根駅伝2026】早稲田大・小平敦之の9区快走に箱根優勝メンバーの恩師は「ああ見えてけっこう熱い奴なんです」 来季は駅伝主将として「打倒・青学大」を目指す (2ページ目)
【出走区間は直前まで決まらずも用意は周到】
実は小平の走る区間は直前までなかなか確定しなかった。
「12月上旬ぐらいは8区かアンカーっていう話をしていましたが、下りのリザーブがいなかったので、6区(の可能性)もありました。それが、チーム状況から、最終的には2日前ぐらいに9区でいこうってなりました」と花田監督。それほどマルチにこなせることの裏返しでもあるが、小平が受け持つ区間は二転三転した。当の小平も当然「ソワソワしてたなって思います」と振り返る。
「どこかしらの区間は走らせてもらえる状況だったので、ただ準備をするだけでした。でも、親からは『これは走れないんじゃないの?』と言われました(笑)」
そんな状況でも9区を走る準備はちゃんと進めていた。過去のデータも分析済みだった。
「過去のラップタイムを見ると、後半に落ち込んでいる選手が多いので、23kmトータルでしっかり結果出すっていうのを意識していました」
順大の石岡に追いつかれても、冷静に対処できたのは、9区攻略のイメージができていたからだった。
そして、後半に盛り返して石岡を逆転すると、今度は46秒の大差をつけた。石岡も区間5位と決して悪い走りではなかったが、小平はそれ以上の快走だった。3位の中大にも51秒差に迫り、アンカーの瀬間元輔(2年)につないだ。
小平は区間2位ながら、区間歴代4位となる1時間07分45秒と、かなりの快記録だった。
「設定タイムよりも速く走れる自信はありました。(5kmを)14分50秒前後で押していければ、1時間08分30秒を切るぐらいはいけるかなと思っていました。入りが速かったぶん、さらに記録を短縮できたのだと思います」
花田監督が設定した目標タイムは1時間08分55秒。なんと、それよりも1分10秒も速かった。
目標の総合優勝は果たせなかったものの、小平の奮闘ぶりは、来季に向けた明るい材料になっただろう。
箱根駅伝を終えた翌日、小平が新チームの駅伝主将を務めることが発表された。
その日は、箱根を走れなかったメンバーが早朝からポイント練習(負荷の高い練習)を行なった。その練習後に、小平はみんなの前で激励の言葉を発した。
「昨年は自分自身もここでポイント練習をしている立場だったので、みんなの気持ちは少なくとも理解しているつもりです。ここから1年間かければ箱根を走れるようになると思いますし、取り組み次第になってくると思うので、自分自身の課題を見つけたうえで、それと向き合うことを大切にしながら練習をやっていってほしいと思います」
こんな言葉で奮起を促していた。
そうなのだ。1年前の小平は箱根のメンバーに絡めずにおり、昨夏の時点でも、花田監督の構想にはいなかった。コロナの罹患や企業へのインターンなどの事情もあったにせよ、北海道・紋別の選抜合宿もメンバー外だった。そこから秋に飛躍を遂げて、全日本大学駅伝、上尾シティハーフマラソンと好走を連発し、箱根駅伝のメンバーを勝ち取った。そして、今回の箱根で一気にブレイクを果たした。
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