【箱根駅伝2026】識者が高速レースを総括 青山学院大の驚異的な強さ、及ばなかった大学の「予想外」について語った (3ページ目)
早稲田大は、5区に工藤慎作(3年)を擁して往路優勝をつかみかけた。だが、その工藤が19km過ぎに黒田に抜かれるとは、花田勝彦監督も想像していなかったはず。自分も同様だった。とはいえ、工藤の状態が万全ではなかったことも含めて、山のエースで敗れたので「仕方がない」という思いだろう。ただ、総合3位は狙える展開だったので、4位はもったいない結果だった。
中央大も4区までは理想的な駅伝だった。3区の本間颯(3年)が区間賞でトップに立った時は、このまま中央大がいくかと思ったが、やはり5区で黒田に差されてしまった。圧倒的な力を持つ山上りの選手の前では、平地でいくら貯金を作ろうが、ほとんどすべて吐き出してしまう。あらためて山の怖さ、山の重要性を痛感させられた大会だった。
事前の予想では10位とした順天堂大が3位に入ったが、トップ3に入ってくるとは驚きだった。7区の玉目陸(2年)の区間2位の快走で勢いづき、じわじわと順位を上げていった。いい意味でのサプライズだったが、来季は優勝争いにも絡んでいけそうで、非常に楽しみなチームになった。
一方、14位の東洋大は20年間維持したシード権をあっさりと失った。チームが活力を失っている感があり、このままズルズルと後退し、低迷してしまうのか。
レース全体では、往路は1km2分50秒ペース、復路は2分55秒を切るペースでないと、箱根は戦えなくなってきている。高速化が進み、区間新記録が5区間も出た。記録ラッシュ、そして順位変動も大きく、観ている側にとっては非常に面白い箱根駅伝だった。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
佐藤俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。
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