【箱根駅伝2026】「危機感しかない」創価大・榎木和貴監督、有力高校生が入学する来季は「根性の部分も鍛えていかないと...」 (3ページ目)
【来春には複数の有力高校生が入学予定】
近年、シード常連校に定着した創価大にはこの4月、高校トップレベルの目安となる5000m13分台の選手が複数名、入学する。これまでのように、持ちタイム14分30秒前後の選手を育成するのとは異なる練習プランで強化を進めていく必要がある。
それと同時に、既存の選手のレベルを上げ、箱根で区間記録を狙い、戦えるチームをつくり上げていかなければならない。過去の成功体験にとらわれることなく、柔軟に取り組みを変えていくことが求められそうだ。
それは榎木監督にとっても難しい挑戦になる。もし、うまくいかなければ、「創価大は14分30秒前後の選手を育成するのはうまい。でも、13分台の選手は育たない」というレッテルを貼られかねない。
また、6区で区間賞を獲得した小池が「個々の熱量に差がある」と指摘したように、現状は「自分が優勝させる」という強い意欲が見られる選手と、そうした意欲が見えにくい選手のどちらもいる。だが、強豪校の選手はそれぞれが主役であることを自覚し、「自分が走るんだ」という強い意欲がチーム内に満ちている。
「そこがウチの課題でもあります。『やってやるよ』という表面的な部分での盛り上がりはあるんです。でも、実際にスタートラインに立って走り出した時、その熱量を持って走り出しているのかというと、そこはやっぱり他大学とは違うかなと。そこまでの気持ちでは走れていない。
今のウチの選手は、高校時代に強いところでもまれていないのでおとなしいんですよ。でも、例えば衣川は、高校時代に厳しさにもまれてやってきているので、しっかりとまとめきる走りができています。厳しいなかでもまれていかないと、本番で力を発揮するのが難しいですね」
チーム内で競い合う厳しさを求め、戦える選手を育成するために、何をすべきだと榎木監督は考えているのだろうか。
「根性の部分も鍛えていく、昭和の指導もしていかないといけないのかなと思っています」
勝負の世界に生きる以上、ある程度の厳しさはあってしかるべき。それをどうチームに落とし込んでいくのか。次のシーズンは、危機感を覚えた指揮官の手腕が問われることになる。
著者プロフィール
佐藤俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。
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