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【箱根駅伝2026】早稲田大の2年生エース・山口竣平は優勝へのラストピースとなり得るのか? (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文・写真 text & photo by Wada Satoshi

【チームのみんなも"竣平ならやってくれる"】

 しかしながら、山口竣平の現状に関しては情報が錯綜している。

 12月13日に行なわれた早大の合同取材日では、こんなやりとりがあった。

 それは、エントリーメンバーが意気込みを表明する場でのことだ。

「今の状態としては4割、5割ぐらいなので走れるかわかりません。走れたら頑張ります」

 山口竣平は、少し不安げな面持ちでこのように話した。

 この一言を受けてなのだろう。主将の山口智規が締めの挨拶で言い放ったのは、真逆のことだった。

「みんな状態がよく、僕も工藤も状態いいですし、山口竣平が一番状態がいいので、そこは期待してほしいなと思います」

 はたしてどちらの発言が真実なのか――。疑問は残ったものの、駅伝主将の愛ある"いじり"に、会場には笑いが起き、緊張感ある空気が少し和らいだ。

「ポイント練習(負荷の高い練習)を再開したのも最近ですし、自分でも間に合うかどうか正直わからない状態です。10番手を争えるかどうかのレベルだと思います」

 その後に山口竣平を直撃すると、こう補足してくれた。初めて疲労骨折を経験し不安に陥るのは、仕方のないことだ。まして、今シーズンの前半戦は絶好調だったのだから、自身の主観で「4割、5割ぐらい」と感じるのも正直な気持ちなのだろう。

「僕は心配しかないですね。(満足に練習をできなかった期間が)やっぱり1カ月、2カ月空いちゃったんで」と吐露していた。

 それでもなお、彼に寄せられる期待は大きい。キャプテンの発言を裏づけたのが花田監督だ。

「優勝を目指すとか、往路優勝するって思いきって言えるようになってきたのは、竣平がよくなってきたことが大きいです。チームのみんなも"竣平ならやってくれる"って感じていると思います」

 山口竣平が本調子で箱根を迎えることができれば、一気に戦力に厚みが増す。チームが目標を成し遂げるためのラストピースとなるのが彼だ。

著者プロフィール

  • 和田悟志

    和田悟志 (わだ・さとし)

    1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。

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