【箱根駅伝2026】「5強」に挑む帝京大は、中野孝行監督の声掛けで選手たちの意識に変化「タイムよりも勝つことを意識しよう」 (2ページ目)
――1年から箱根を走っている主将の柴戸選手の存在は、やはり大きいですか。
中野 柴戸は去年1年間ずっと"錆びていた"んです。3月に故障をして、4月の関東インカレには出られませんでした。それでも全日本の予選は彼がいないと困るので、無理に使ってまた故障して......。全日本も使わない予定でしたが、結局使った結果、順番を下げて箱根でも順番を下げてしまいました。
3年生の時は本当に辛い思いをさせてしまったので、今年はその錆落としをしなければいけないと思っていたんです。出雲は使わないつもりでしたが、練習はできているので全日本は中盤の要所である4区、5区あたりの起用も考えていました。ただ、前述のように1区を走ったことで、いい緊張感を持てるようになり、練習以上の強い刺激で錆もきれいに落ち始めた感じがします。彼の錆落としに関してはまだまだやろうと思っていますが、「主将が箱根でも使える」となったのはチームにエンジンをかける意味でも大きいと思います。
――7区の島田選手と8区の浅川侑大選手も堅実に走りましたね。
中野 7区の島田は青学大の黒田君に抜かれ、8区の浅川は早稲田大の工藤慎作君(3年)に抜かれましたが、ふたりとも帝京大記録でした。早大も真剣に戦っていたのがわかりましたし、駒澤大や國學院第と並んだり、青学大がうしろにいたとか、前方で戦えたという事実は、彼らにとっての可能性を広げる自信になったと思います。
【意識させたのは順位を狙うこと】
――収穫が多かった全日本のあとも、上尾シティハーフマラソン(11月6日)では1時間02分台が7人も出たうえ、出雲と全日本を走った原悠太選手(3年)が1時間01分21秒で4位といい走りをしました。
中野 原は2月の香川丸亀国際ハーフマラソンも走って実績はありましたが、上尾ハーフでは2位以内になってニューヨークシティハーフマラソンの招待枠(上位3名)を取りたいという意欲を持って走り、よく戦ったなと思います。以前は、選手たちの底力アップに躍起になっていたのですが、今年は春のインカレあたりから「順位を狙う」というのを徹底させました。
6月に島田と尾崎仁哉(4年)をオーストラリアのハーフに行かせた時は、ふたりに「どんな形でもいいから、とにかく勝つレースをしよう」と伝え、島田は本当に優勝したし、尾崎も大会記録を更新する1時間01分21秒の自己新を出して4位でした。それを見て私も「こいつら強いな」と思いましたし、ふたりとも初めての海外だったのに、結果を出す力強さもついていることを再認識できました。
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