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【箱根駅伝2025予想・全チーム紹介 前編】総合優勝をつかみ取るのは?「3強」など有力6大学の戦力をチェック (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

 今季はとにかくエース吉田響(4年)の充実が大きい。出雲2区は駒大・佐藤が持つ区間記録を意識して突っ走り、区間2位に32秒差をつけるダントツの区間賞。全日本も2区で駒大・佐藤が持つ区間記録を目指して、序盤から攻め込んだ。ラスト勝負で青学大・鶴川に敗れて区間賞は逃したが、後続に41秒差をつけるインパクト抜群の走りを披露した。

 吉田は、「4年間"山の神"を目指してきたので、5区を68分台で走って、区間記録(69分14秒)を塗り替えたい」と意気込んでいるが、2区抜擢の可能性も十分に考えられる。さらに、前回2区(5位)を担ったスティーブン・ムチーニ(2年)と、全日本8区で区間2位と好走した野沢悠真(3年)も往路候補。そこに出雲と全日本を欠場した小池莉希(2年)が戻ってくれば、目標とする「往路優勝しての総合優勝」に近づけそうだ。

【ほかにトップを狙えそうな2大学は?】

 前回3位の城西大も面白い。昨季は出雲2位、全日本5位と3大駅伝すべてでチーム最高順位を更新したが、今季は出雲が7位で全日本が6位。前年を下回ったことで、箱根駅伝の目標を「4位以内」としている。

 そのなかでキーマンとなるのが、八王子ロングディスタンス10000mで27 分45秒12を叩き出した斎藤将也(3年)だ。過去2回の箱根は2区を任されているが、櫛部静二監督は5区での起用も示唆している。出雲と全日本で2年連続の区間賞を獲得しているヴィクター・キムタイ(3年)、5月の関東インカレ1部10000mで2位に入った主将・平林樹(4年)ら主力選手は超強力。往路をかき乱す存在になるかもしれない。

 前回7位の早稲田大は、出雲で6位(IVYリーグ選抜を除けば5番目)、全日本5位と安定感のある戦いを見せている。そして前回は2区の山口智規(3年)がすばらしかった。12位でタスキを受け取ると、1時間6分31秒(早大新記録)の区間4位で激走して、4位まで順位を押し上げたのだ。5区の工藤慎作(2年)も区間6位と好走して、往路を5位で折り返し、復路も大崩れすることなく7位でフィニッシュした。

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