100mハードル・田中佑美が来シーズン目指すもの「次は『一発』がほしい。一発屋でもいいので(笑)」 (3ページ目)
【オフもアスリート的思考が頭をよぎる】
── 世界選手権の参加標準記録が、パリオリンピックの12秒77から12秒73へとさらに引き上げられました。
「正直、上がるだろうなとは思っていました。12秒73という参加標準記録に関しては『12秒6台に入らなくてよかった』くらいに思っています。
でも、参加標準記録が上がったからではなく、自己記録を上げていくことは、今後目指していくべきことだと思っています。
東京開催の世界選手権への想いは? photo by JMPAこの記事に関連する写真を見る 戦略としては、パリの時と変わりません。パリオリンピックは39番目の出場で、総合18位でした。自己記録が遅くても、シーズンを通していい記録を出していなくても、やっぱりスタートラインに立つことが大事だっていうのをあらためて感じました。
そのための戦略として、(ワールドランキングでの出場に必要な)ポイントを稼ぐことが有利に働くのであれば、そうしていきたいです」
── 世界選手権が東京で開催されることに、特別な思いはありますか。
「いちアスリートとして、東京だからといって(ほかの世界大会と)大きく変わりません。でも、陸上競技に携わる者として、オリンピックでスポーツが注目されているなか、東京で世界選手権が行なわれることは見逃せないことだと思います。
『自分が満員の観衆のなかで走りたい』というよりも、『国立競技場が満員になるくらい陸上競技の価値が上がればいいな』と思っています」
── 長いシーズンを戦い終えて、試合がない今の状況はどんな感じでしょうか。
「日常生活のなかで一瞬、アスリート的思考が頭をよぎるんですよね。『そろそろ寝ないと明日の練習に差し障るな』とか、食べる物でも『これ油が多いな』とか。そういうのが一瞬よぎったあとに、『今は移行期間だから何をしてもいいんだ』と切り替えてすごしています」
── トレーニングも今はオフ。
「今はトレーニングをしていません。リフレッシュ期間です。1週間は何もせずにすごして、次の1週間で少しずつ冬季の計画を考え始めようと思います。さらに次の週からジョギングをしようかなっていう感じです」
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