箱根駅伝予選会展望 大激戦を突破する10校は? 有力校トップ候補から復活を狙う逸材まで (2ページ目)

  • 酒井政人●取材・文 text by Sakai Masato

【当落線上の争いは大混戦に】

 ここまでで6校。残り4校は大混戦になるだろう。そのなかでちょっと読めないのが順天堂大だ。浅井皓貴(4年)、海老澤憲伸(4年)、吉岡大翔(2年)ら戦力は充実しているが、6月の全日本選考会は17位と惨敗。そして日本インカレ3000m障害を連覇した村尾雄己(3年)、関東インカレ1部10000m8位(28分13秒67)の玉目陸(1年)ら全日本選考会を走った5人が予選会のメンバーから外れている。名門の意地を見せられるか。

 一方で雰囲気がいいのは、神奈川大だ。1月から中野剛氏が新監督に就任。前回の予選会(7位)でチーム10位以内に入った選手が6人卒業するも、全日本選考会を7位で突破した。4年生のエントリーは3人しかいないが、エース格の宮本陽叶(3年)がチームを引っ張っている。

 留学生を擁して、前回通過を果たしている日本大、国士舘大、駿河台大、山梨学院大、加えて本戦出場に3秒差で泣いた東京国際大がボーダー付近にいる。

 この5校の戦力を比べると、前回チーム10位以内に入った選手の卒業人数は日大(5位)が4人、国士大(8位)が1人、駿河台大(12位)が1人、山梨学大(13位)が2人、東京国際大(14位)が3人。出走した留学生は今回、全員がエントリーされた。そして6月の全日本選考会(※東京国際大はシード校)は日大(9位)、山梨学大(10位)、駿河台大(12位)、国士大(15位)の順番だった。

 エントリー10000m上位10人の平均タイムは東京国際大が3位(28分51秒40)、日大が4位(29分00秒12)と、このグループでは少し抜けている。両校は留学生も超強力だ。東京国際大のリチャード・エティーリ(2年)はハーフマラソンで59分32秒の日本学生記録を持っており、日大のシャドラック・キップケメイ(2年)は前回、1時間00分16秒で個人トップに輝いている。

 前回の本戦出場校では東京農業大が大エースの前田和摩(2年)が外れる苦しい布陣となったが、どこまで戦えるのか。

 拓殖大、上武大、専修大という箱根常連校も留学生を擁して、復活にかけている。初出場を狙うチームとしては前回15位の麗澤大が面白い。2022年にケニア人留学生が初めて入学。6月の全日本選考会では過去最高の13位に入っている。それから国立の雄、筑波大が日本人選手だけでどこまで戦うのか注目したい。

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