【駅伝シーズン開幕】出雲駅伝プレビュー 箱根王者の青学か、3連覇を狙う駒澤か、追う國學院、城西、創価の戦力は (2ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun

【城西大、國學院大の厚い選手層】

 昨年、出雲2位、今回は3位内を目指す城西大は、今年も優勝争いに絡んできそうだ。

 1区は昨年同様、エースの斎藤将也(3年)が担う。6月に5000m13分33秒39の自己ベストを出すなど好調で、10000mは27分59秒69のタイムを持つ。3区には5月の関東インカレ5000mで優勝したヴィクター・キムタイ(3年)が入り、関東インカレ10000mで2位(28分03秒13)の主将・平林樹(4年)が4区、網走夏季記録挑戦競技会の5000mで13分49秒44の自己ベストをマークした久保出雄太(4年)は6区に配置された。注目は網走夏季記録挑戦競技会の10000mで28分53秒43の自己ベストをマークし、5区に起用された鈴木健真(3年)だ。櫛部静二監督がキーマンのひとりに挙げており、駅伝デビューでどんな走りを見せるのか、期待が膨らむ。

 1区の斎藤から3区のキムタイまでいい順位で繋げられるかどうかがポイントだ。2枚のエースの脇を固める2区の山中達貴(3年)、5区の鈴木が機能すれば前回の箱根のように、血が沸き立つような熱いレースを見せてくれるだろう。

 2019年の31回大会優勝以来、5年ぶりの優勝を狙う國學院大も優勝候補だ。

 エースの平林清澄(4年)は6区に配置された。2月に大阪マラソンで初マラソン日本最高&マラソン日本学生記録の2時間6分18秒で優勝、夏合宿も順調に練習をこなしてきた。トラックシーズンでは7月の網走夏季記録挑戦競技会の10000mで高山豪起(3年)が28分25秒72、辻原輝(2年)が28分27秒93、後村光星(2年)が28分30秒39で、それぞれ自己ベストをマークし、PB祭りをやってのけた。その中から辻原が3区に起用された。前田康弘監督が「平林や青木と同じ練習を同じレベルでこなす」と語るほど急成長しており、優勝へのキーマンになりそうだ。また、4区に起用された野中恒亨(2年)も前田監督が「練習通りの力を発揮できればいい」と期待を寄せる。

 平林という絶対的なエースが最後にいることで、心理的な余裕が1区から5区までの選手にプラスに働く。1区の青木瑠郁(3年)、2区の山本歩夢(4年)は計算できるがゆえに3区4区の走りが重要になる。選手個々がタイム通りの力を発揮し、平林で締めて優勝できれば3冠を狙える過去最強のチームに昇華するだろう。

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