箱根駅伝へ駒澤大学に黄信号? 主将・篠原倖太朗が抱える不安とは「危機感が足りない」 (2ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun

【Ggoatのメンバーに追いつくも......】

 Ggoatは駒澤大のSチームが進化したチームで4月26日に発足、大八木総監督が指導し、現在のメンバーは田澤廉、太田智樹、鈴木芽吹(以上トヨタ自動車)、佐藤圭汰(3年)、篠原の5名だ。5000mの記録でいうと太田が13分20秒11、田澤は13分22秒60、鈴木が13分17秒75、佐藤が13分09秒45(室内記録)など、非常にレベルが高い。篠原が30秒切りを実現してメンバーに追いつきたいと考えるのは当然で、今回ようやく先輩たちの尻尾を掴んだ感じだ。

「なかなか30秒を切れなかったのは、ひとつは安定期に入っていたからですね。いつかは爆発するだろうと思っていたんですけど、そこまで行かずで(苦笑)。でも、今回安定より上にはいけたかなと。あと、やっぱり自分のペースを分かっていなかったです。押し切れるペースは、やってきた練習や体調によっても違うんですけど、自分の場合、よい時のことだけを考えてやってきたんです。その日の体調とかにしっかり合わせてペースを上げ下げすることがちょっとずつですが、できるようになってきたのが大きいですね」

 現在、Ggoatのメンバーとともに大八木総監督はアメリカで合宿中だが、どのように報告するのだろうか。

「大八木さんには、とりあえず20秒台に入りましたと伝えます。これまでいっぱい怒られてきたので、恩返しじゃないですけど、これから少しずつでもいい報告ができるようにしていきたいです」

 篠原は、小さな笑みを浮かべて、そう言った。

 5000m、30秒の壁を突き破ったことで、個人としてはひと息ついた感じだが、チームについてはまだ調子が上がらない様子だ。本来ならば、この夏は大八木総監督とGgoatのメンバーとともにアメリカで個を磨く合宿に参加予定だった篠原だが、主将としてチームの合宿に参加することを決めた。

「関東インカレが終わったタイミングでアメリカ合宿の参加について返事をほしいと言われたのですが、チームの関東インカレの結果を見ると、やっぱり夏は自分がいなきゃいけないと思ったんです。そのためアメリカ行きをお断りしてチームの夏合宿に行くことに決めました」

 関東インカレでは桑田駿介(1年)が5000mで5位入賞した以外は、ハーフも10000mも入賞には遠く及ばなかった。その後の記録会やレースでも目立った結果が出ず、沈黙。ホクレン網走大会で帰山侑大(3年)が13分44秒85を出し、網走学連記録会10000mで山川拓馬(3年)が28分36秒98の自己ベストを更新したとはいえ、桑田以外、爆発的な走りを見せる選手は出てきていない。

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