箱根駅伝予選会へ向けて札幌学院大のエースの意気込み「地方の大学、なめんなよ!」 (2ページ目)
昨年、箱根駅伝予選会の全国化が決定した。それまで箱根駅伝に縁がなかった地方の大学にも走るチャンスが与えられた。賛否両論の声がとびかう中、地方大学の選手は、どう思っていたのだろうか。
――渡邊選手は、箱根駅伝が全国に門戸を開いたのを聞いて、どう思いましたか。
「僕は何がなんでも出たいという気持ちでした。ただチームとして参加するので、他の選手のコンセンサスも得ないといけない。それぞれいろんな考えを持っていますし、目指すものが違う部分があるけど、箱根の予選会に挑戦できるなんてすごい経験じゃないですか。大学生活はもちろん、人生でも一度しかないと思うんです。このチャンスを捨てるのはもったいない。予選会に出るだけでも幸せだなって思いましたね」
チームは全日本大学駅伝の北海道予選会で優勝し、その後、箱根駅伝予選会への出場を決めた。渡邊は故障のために北海道予選を走れなかったが、すでにポイント練習にも戻ってきており、本番に向けて調子を上げていくという。
――関東の大学に一泡吹かせてやろうという意識はありますか。
「関東の大学は、うちの大学のことなんて目にも止めていないでしょう。だから、最初の1キロでもいいですし、5キロでもいいので、先頭に立って走り、なんでこんなところに(札幌学院大が)いるんだって驚かせたいです。そうして、少しでも多くの人の目に自分たちの姿を焼き付けたい。今年の箱根駅伝の1区で関東学生連合として育英大学の新田(楓)選手が飛び出して、すごく目立ったじゃないですか。あの走りで選手の名前も学校名も全国に知れ渡ったし、すごくインパクトが大きかった。僕はあの姿勢というか走りに憧れていて、やってみたいんです。そういう選手がうちからひとりでもふたりでも出て、レースを盛り上げていけたらと思います」
――予選突破は、どう考えていますか。
「現実的には難しいですね。もちろん、あきらめているわけではないですが、僕自身はその目標はともかく、予選会を走ることの幸せを感じてもらえるといいかなと思っています。めちゃくちゃ注目される大きな舞台で21キロを走ることなんてなかなかないですし、関東の大学と一緒に走れるのもすごくいい経験になると思うんです。予選会に出て、何も残せずに終わるのは嫌なので、個人としてもチームもしても何かを得たいです」
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