2022.07.19

箱根駅伝の全国化も地方大学は「現実的に厳しい」。1回で終わらなければ、中長距離の名選手が指導する2大学にも可能性

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato
  • photo by Kyodo News

 関東学生陸上競技連盟が、第100回東京箱根間往復大学駅伝(2024年1月2日、3日)の予選会に、全国の大学が参加可能になったと発表した。参加資格を「関東学生陸上競技連盟男子登録者」から「日本学生陸上競技連合男子登録者」に拡大したためだ。なお第101回大会以降の開催方法は検討するとしている。

現在、地方大学で指導する元早大の竹澤健介(左)と五輪のマラソンで活躍した尾方剛現在、地方大学で指導する元早大の竹澤健介(左)と五輪のマラソンで活躍した尾方剛 この記事に関連する写真を見る  限定的とはいえ、関東ローカルの大会である箱根駅伝が全国化することになった。その予選会が行なわれるのは、例年と同時期ならば2023年10月後半だ。決戦のときまで1年3カ月ほどしかない。果たして地方大学の中で大激戦を突破するチームは現れるのか。

 今年11月の全日本大学駅伝で、4年連続12度目の出場となる関学大・竹原純一監督はスポーツ紙の取材に対して、「今のメンバーで出るのは無理。箱根はもともと頭にないし、ハーフの練習もしていないしね」と答えている。駅伝ファンはご存じだと思うが、まず関東と地方では実力差が小さくない。

 昨年の全日本大学駅伝は関東勢が15位までを独占した。関東地区以外の最上位は16位の関学大で、15位の日体大(エース藤本珠輝を外した布陣)とは3分03秒差。14位の拓大(箱根駅伝予選会を次点で敗退)とは8分30秒という大差がついた。これがハーフマラソン上位10人の合計タイムで争われる箱根駅伝予選会になると、地方大学の戦いはもっと厳しくなる。

 今年の箱根駅伝に出場したあるチームの指揮官は、「全国に門戸を広げるのは面白い取り組みだと思うんですけど、第100回大会だけで終わってしまうと、関東以外のチームが入ってくるのは現実的に厳しいと思います。チームの作り方が違うし、年間通してのモチベーションも全然違いますから」と指摘する。

 別の箱根駅伝監督経験者も「1回だけのために強化ポイントを変えるのも難しいですし、ハーフマラソンを走れる選手を10人揃えるのがどれだけ大変なことか。1年間で簡単に走れるようになったら苦労しないですよ」と話すほどだ。