50年以上ぶりの箱根駅伝出場を目指す立教大。カギとなる2年生コンビが語る課題と「意識の差」

  • 佐藤俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 箱根駅伝予選会に向けて合宿をこなし、チーム強化を続けている立教大学駅伝部。

 昨年から推薦枠で全国の強豪校から優秀な選手を獲得、今年も有望な1年生が入学し、選手層は確実に厚くなりつつある。なかでもチームのエースと称され、上野裕一郎監督が絶大な信頼を置くのが、中山凜斗(なかやま・りんと)と服部凱杏(はっとり・かいしん)の2年生コンビだ。中山は昨年、学生連合で箱根4区を走り、服部は春のトラックシーズン、1500mから1万mまでPB(自己ベスト)を連発した。ふたりにトラックシーズン、チームの現状、そして箱根予選会について話を聞いた。

立教大学駅伝部2年の服部凱杏(左)と中山凜斗(右) ※撮影時のみマスクをはずしています立教大学駅伝部2年の服部凱杏(左)と中山凜斗(右) ※撮影時のみマスクをはずしていますこの記事に関連する写真を見る──トラックシーズンの手応えは、どう感じていますか?

中山 春のシーズン前、1月末に腸脛靭帯を痛めてしまったんです。2月の後半にジョグができるようになり、ポイント練習に参加することができたのは3月です。それから急ピッチで戻しすぎて、その疲労が春のシーズンに出てしまったので、トラックシーズンは全然調子が上がらなかったですね。

──タイムを含めて物足りない感じですか?

中山 そうですね。監督とは、最低限の走りをしようと話をしていて、1万mは30分ぐらいで2本走れて、合宿につながるようなレースができましたが、それでも最低限でした。

服部 自分は昨年の予選会前にケガをして、それが2020年内に治らなくて、1月に帰省した時に走り始めたらまったく痛みがなくなって......。そこから練習が積めるようになったんですが、「絶対にここから崩れないようにしよう」と心がけていたら自然と調子が上がっていったんです。しかもレースでも記録会でも勝つことに集中していたら楽しくなって、それが自分のモチベーションになっていました。

中山 どんどん調子が上がって、日本選手権まで決めたもんね。

服部 高校時代やっていたことも取り入れたのが大きかった。ドリルとか、ハードルを使った動き作りとか、補強とかやったら動きがすごくよくなった。うちの高校(佐久長聖)はそのあたりをかなりしっかりやるんで。

──それが効いてPB連発でした。

服部 PBは、ここまで連発できるとは思っていなかったですけど、自分は毎年PB更新が続いていたので、それほど驚くようなことではなかったです。

中山 僕は、全然タイムが出なかったので、いいなぁって感じで見ていた。

服部 1500mは、調子がよかった。3分43秒を出した時もいいなって思ったけど、今じゃ高校生とかもバンバン記録を出しているし、全然たいしたことなかった(苦笑)。

 立教大は1次合宿を蔵王、2次合宿を菅平で行なった。3次合宿は北海道で行なわれ、箱根予選会のメンバーの絞り込みが進んでいく。
──夏合宿のテーマは何かありますか?

服部 自分は昨年、夏合宿で足を痛めてしまったんで合宿をうまく活かすことができなかったんです。今年はとにかく安全運転で夏を乗り越えて秋シーズンの記録会、予選会で結果を出すというところで今、ケガをしてしまって(苦笑)。3日ぐらいで治るかなって思ったらもう1週間過ぎて、3次合宿でポイントに戻れるように調整していますが、まだ読めない。

中山 3次では走っているでしょ。

服部 その予定だけどね。

中山 自分は、1次合宿は行かず、実業団の合宿に参加していました。ポイント練習は強い選手のうしろについて走るだけだったんですけど、1回も外さずにつけたことでけっこう自信がつきましたし、あとトレーナーさんの治療を受けるなかで自分の知識を広げることができました。チームにはキツいマラソン練習を軽くこなす選手がいて、将来的にこういう選手になりたいと思うこともあって、とにかくいい刺激を受けました。

──その経験をチームに還元していく。

中山 そうですね。今年の目標は(箱根駅伝の)本大会出場と最低でも予選会15位内を掲げているんですが、まだ個々のレベルの差が大きい。自分が引っ張って、そのレベルを上げていきたいし、自分のレベルも上げていきたい。春のシーズンはタイムが出なかったんで、秋は5000mだと13分台、1万mで28分30秒を目指していきたいですね。予選会は62分前半ぐらいで走らないと箱根に届かないと思うので、合宿でしっかりと足を作って、個人でもチームでもレベルアップを実現していきたいです。

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